DMC
□窓の横で
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その日一日のダンテはやけに静かで、不機嫌でもないようで、どうしたものかとネロは思っていた。
いつもは冗談の一つ二つは面白可笑しく言っているものだが、今日はそれの一つもない。
朝からネロはどうしたのだと大丈夫かと聞いてみたが幾ら聞いても「気にするな」と一点張りだった。
夕食のときまで最小最低限しか喋らない、ダンテにネロは問うた。
「なぁ、なんでそんなにテンション低いんだ」
パスタをフォークで巻いて口に運ぼうとしていたダンテは動きが一瞬止まった。
「いや、そんなつもりはないんだが。」
ここまで一日落ち込んでいる様だったのに今そこでそう言えるものかとネロは一瞬腹が立つ。でもそれにも理由があるに違いないと思い、その怒りを留める。
「嘘だ、・・・なんかあったのか?」
口の中のパスタを飲み込み、水を軽く飲むとダンテは目線をネロからパスタに変えてまたゆっくり食べ始める。
どうやら黙秘権のようだ。
「おい、無視かよ。」
いつもと違うダンテの行動に不安に思ったが今はカチンと来ているネロが立ち上がりダンテのパスタの皿を奪った。
ダンテのフォークが行き場を無くし、机を刺した。