薄/桜/鬼
□拍手集
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【薄桜鬼/祭りネタ/土千】
「雪村君。今日の夜は外に出て、楽しんで来るといい。」
自室の掃除をしていた千鶴の所に、近藤さんが来て、突然に言い出した。
「えっと、なんの事でしょうか?」
思い当たる節が無く、聞き返すと、笑顔で返してくれる。
「今日は夏祭りだ。トシが連れて行ってくれるそうだから、一緒に言ってくるといい。いつも男ばかりの場所で、羽も伸ばせんかっただろうし。」
羽を伸ばせない、という所には否定を感じたが、夏祭りなんて何年か振りだ。連れて行ってくれるなら嬉しいので、言葉に甘える事にする。
「それじゃぁ、行ってもいいですかね?」
「あぁ。もちろん。楽しんでおいで。ぁ、あぁそれと・・・」
近藤さんが持っていたのは、女物の浴衣。
事情を奥さんに話した所、自分の昔の物をくれたらしい。
「いいんですか?・・これ、とっても高そう・・・」
「構わんよ。もう着ないと言っていたからな。」
「本当に有難う御座います!」
深々と頭を下げ、お礼を沢山言った。
夕方、土方が私服に着替え、千鶴の部屋に行き迎えに行った時、
「千鶴、用意はできたか?。」
「ぁ、はい。今行きますね。」
千鶴が焦って障子を開けると、土方が私服姿でいる。
土方からすれば普段絶対に見ることの無い、女の子らしい姿の千鶴が居る。
「ぇ、えっと、素敵ですよ、とっても。」
「ぁ、あぁ。お前も、良いんじゃないか?」
二人ともどぎまぎしながら、祭りにて向かった。
川の土手で花火があがるらしく、土手には人が群がっていた。
土方と千鶴は、群がっている所とは違い、比較的空いている所を見つけ、そこに二人座っていた。
「よかったですね。いい所が取れて。」
「人が多すぎるのは勘弁だからな。」
ふたりが他愛無い話をしていた所で、目をよく凝らせば、見える場所に居る花火職人が打ち上げを開始した。
ひゅるるるるる、という音と、爆発音と、綺麗な火薬が燃え散っているのが、消えては咲き、消えては咲きを繰り返している。
その様を千鶴は、少し悲しそうな顔で見ているので、土方が「どうした?」と声を掛ける。
「綺麗ですけど・・・・、儚いですね。」
千鶴が言いたい事が分かった様な気がする。
綺麗に咲いた後は、春の桜の様に散るのだ。
「・・・・・安心しろ。・・・・俺は散らねぇ。」
そういって、千鶴を自分の方に軽く抱き寄せると、悲しそうな顔が、微笑みに変わり、「はい。」と小さく呟いた。
(END)
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意味がワカランっすね。スイマセン