薄/桜/鬼

拍手集
1ページ/2ページ



【薄桜鬼/祭りネタ/土千】


「雪村君。今日の夜は外に出て、楽しんで来るといい。」

自室の掃除をしていた千鶴の所に、近藤さんが来て、突然に言い出した。


「えっと、なんの事でしょうか?」

思い当たる節が無く、聞き返すと、笑顔で返してくれる。

「今日は夏祭りだ。トシが連れて行ってくれるそうだから、一緒に言ってくるといい。いつも男ばかりの場所で、羽も伸ばせんかっただろうし。」


羽を伸ばせない、という所には否定を感じたが、夏祭りなんて何年か振りだ。連れて行ってくれるなら嬉しいので、言葉に甘える事にする。

「それじゃぁ、行ってもいいですかね?」

「あぁ。もちろん。楽しんでおいで。ぁ、あぁそれと・・・」

近藤さんが持っていたのは、女物の浴衣。
事情を奥さんに話した所、自分の昔の物をくれたらしい。

「いいんですか?・・これ、とっても高そう・・・」

「構わんよ。もう着ないと言っていたからな。」

「本当に有難う御座います!」
深々と頭を下げ、お礼を沢山言った。








夕方、土方が私服に着替え、千鶴の部屋に行き迎えに行った時、

「千鶴、用意はできたか?。」

「ぁ、はい。今行きますね。」

千鶴が焦って障子を開けると、土方が私服姿でいる。
土方からすれば普段絶対に見ることの無い、女の子らしい姿の千鶴が居る。

「ぇ、えっと、素敵ですよ、とっても。」
「ぁ、あぁ。お前も、良いんじゃないか?」

二人ともどぎまぎしながら、祭りにて向かった。





川の土手で花火があがるらしく、土手には人が群がっていた。

土方と千鶴は、群がっている所とは違い、比較的空いている所を見つけ、そこに二人座っていた。

「よかったですね。いい所が取れて。」
「人が多すぎるのは勘弁だからな。」

ふたりが他愛無い話をしていた所で、目をよく凝らせば、見える場所に居る花火職人が打ち上げを開始した。

ひゅるるるるる、という音と、爆発音と、綺麗な火薬が燃え散っているのが、消えては咲き、消えては咲きを繰り返している。

その様を千鶴は、少し悲しそうな顔で見ているので、土方が「どうした?」と声を掛ける。


「綺麗ですけど・・・・、儚いですね。」

千鶴が言いたい事が分かった様な気がする。
綺麗に咲いた後は、春の桜の様に散るのだ。






「・・・・・安心しろ。・・・・俺は散らねぇ。」








そういって、千鶴を自分の方に軽く抱き寄せると、悲しそうな顔が、微笑みに変わり、「はい。」と小さく呟いた。









(END)
.

意味がワカランっすね。スイマセン

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ