□屋上欲情カタルシス
1ページ/3ページ
だって、僕の目線の先には必ず彼がいて。
彼の目線の先には何も無かった。
だからね、チャンスだと思ったんだよ。
それだけ。
屋上欲情カタルシス
「獏良くんって本当に顔整ってるよねーっ」
「・・・彼女とか、いないのかなぁ」
クラスの女子達が、獏良を話題に盛り上がっている。
海馬は主人が不在の机を退屈そうに眺めた後、遊戯の友である獏良了の顔を思いだそうとした。
―――確か、白髪でふわふわしていて、どこかネジの外れたような奴だったか。
そう思っていたところで、教室に入ってきた紅葉頭に考えを中断させられる。
「海馬くん!・・・今日こそ、一緒にお昼食べない・・・?」
「ゲッ!!!やめとけ、遊戯!あんな嫌味野郎と食っても美味くねぇぞ!!」
「だまれ凡骨、・・・俺は貴様らと友情ごっこをするつもりは無い。」
「あっ、海馬くん!」
案の定遊戯に昼を誘われ、海馬は一人で教室を後にすると、屋上へと向かった。