長いおはなし
□Can't Stop Fallin' In Love
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「結婚、おめでとう!幸せになってね。」
「ジェームズ、リリーを泣かすなよ!」
「リリー!素敵よ。」
教会で誓いのキスをし、夫婦となったジェームズとリリー。まだ、あどけなさが残る二人に、同じ世代の友人達が幸せの声をかける。
「投げるわよ!」
リリーが後ろを向き、幸せがつまったブーケを天高く青空に投げた。次の幸せがあなたでありますように――。
そんな光景を遠巻きに見ているセブルス・スネイプ。
「これで良かったんだ。おめでとう。リリー。幸福になるんだよ。」
本当は、本当は彼女の隣は僕だったんだ。ずっと、そう思っていた。
「私、ジェームズと付き合うわ。」
学生の頃、彼女が僕に言ってきた。ずっと好きだったのに。わかっていてくれたと思っていた。
僕は止めなかった。彼女の意志を尊重したからだ。
「いいんじゃないか?ポッターは、ヒーローだからな。」
皮肉まじりで言った。あの時のリリーの目が忘れられない。
「……そうね。」
その意味を知るには時間と、経験が必要だった。