長いおはなし

□Can't Stop Fallin' In Love
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 今夜は眠れない。



 リリーの温もりが、身体に残っている。キスの味。乳房のやわらかさ。濡れた秘部。喘ぎ声。我輩を抱く腕の力強さ。髪の匂い。



 シャワーを浴びるのがもったいない。彼女との情事。思い出すだけで、口元がゆるむ。一線を越えた関係。

 すばらしい誕生日プレゼントだった。


「…くくっ……。」

 声が漏れてしまった。濃厚な時間を過ごしてきた。


 温もりを思い出しながら、自慰をした。




 いったい、彼女は我輩のことをどう、思っているのだろう。
 両想いだとおもう。学生の頃だったら、浮かれていただろうな。今も、浮かれてはいるが、常識はある。

 我輩は、付き合ってはいけない女性と、関係を持ったのだ。



    不倫



 事の重大さには、まだ気付かない。今は、恋をしている。鮮やかな世界に身を投じているのだ。


 恋は盲目だ。相手に対してもだが、周囲が見えなくなる。本当に自分を中心に世界がまわっているのだ。

 おめでたい感覚だ。




「リリー…‥」
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