長いおはなし
□Can't Stop Fallin' In Love
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あれから数カ月。ハロウィンのときに我輩宛にフクロウ便がきた。リリーからだ。
―覚えてる?あなたからもらったキャンディーよ。―
3粒のストロベリーキャンディーが入っていた。最近は、あまり口にはしないが、学生の頃は疲れた時に口の中で転がして、本を読んでいた。
「よく覚えていたな」
たしか、ハロウィンの時にあげた記憶がある。懐かしく、口元が緩んでしまう。
ストロベリーの匂いがうつった便箋をながめる。
会いたい
顔を見るだけでいい。もう一度、あの時のように楽しく話しをしたい。
ペンをとっていた。来週、どうかという誘いの内容だ。
出した後に気付いてしまった。彼女にはポッターがいる。既婚者になんていう、手紙を出してしまったのだろう。普通ならしない。我輩はなぜそんなことをしてしまったのだ?理性をなくしてしまった。ましてや、ポッターに見られたら彼女の立場がない。
そんな思いで、くるしい数日が過ぎた。
またきたフクロウ便。怒るだろうな。なんて失礼なヤツだと。それが普通だ。
期待と不安で読んでみる。
―お返事ありがとう。うれしかったわ。あなたの都合のいい時を教えて―