長いおはなし
□Can't Stop Fallin' In Love
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新学期の準備に入った8月半ば――
ため息がでる。
リリーに、会うことはできない。手紙すら書いていない。
それがストレスなのか…
何事も上の空だ。
夏の空を見上げる。
「セブルス、いいですか?」
中庭の廊下にいたところ、マクゴガナル女史に声をかけられた。
「校長室へ、一緒に来てもらえます?」
「…はい。」
急ぎの用か?
いそいそとした雰囲気だ。女史の、小柄な背中の後を追いながら校長室に入った。
「おぅ、セブルス。手を休めさせてすまんのぅ。」
「いえ…」
「来期の、新任の先生を紹介しようと思ってな。」
「…闇の魔術のですか?」
あれだけ、頼んでいるのになぜ、自分ではいけないのか。
「やぁ、久しぶり。」
思わず、目を疑った。
「ルーピン!?」
「何年ぶりかな?セブルス。」
相変わらず、弱々しい笑顔で話す。