妄想 6
□愛の魔王ヴォルデモート
1ページ/5ページ
本日も、やってきましたヴォル様。黒いマントをなびかせ、赤いルビー色の瞳が愛を語る。人は彼を、闇の帝王ヴォルデモートと呼ぶ。本名トム・リドル。自称、愛の魔王ヴォルデモート。
しかし、今日は愛の指南ではない。『破れぬ誓い』で、呪いを受けたナルシッサを見にきたのだ。
ナル「いらっしゃい。ヴォルデモート。」
ヴォル「久しぶりだな。元気そうだ。」
そう。ナルシッサにルシウス・マルフォイと、結婚するように、呪いをかけたのだ。今日は、途中経過を見にきたのだ。
ヴォル「どうだ?マルフォイ夫人。」
ナル「うふふふ。おかげさまで楽しいわ。」
ヴォル「よかったな。人狼はどうだ?」
ナル「リーマス?元気よ。もう、こちらに着く時間かしら?彼はまだ学生だから。」
ヴォル「そうなのか?」
小柄なヤサ男の人狼。アイツほど、自分の不幸を利用しているヤツは見たことがない。と、思うヴォル様である。
ナル「ねぇ。ヴォルデモート。あなたの愛の魔法は素晴らしいわ。」
ヴォル「…浮かない顔をして、どうした?」
ナル「ひとつ、相談があるの。」
ヴォル「相談?よし、聞いてやろう。」
カップの紅茶をすする。浮かない顔のナルシッサ。美人は、悩んでいても絵になるのだった。