妄想 6

□愛の魔王ヴォルデモート
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 本日も、やってきましたヴォル様。黒いマントをなびかせ、赤いルビー色の瞳が愛を語る。人は彼を、闇の帝王ヴォルデモートと呼ぶ。本名トム・リドル。自称、愛の魔王ヴォルデモート。

 しかし、今日は愛の指南ではない。『破れぬ誓い』で、呪いを受けたナルシッサを見にきたのだ。

ナル「いらっしゃい。ヴォルデモート。」

ヴォル「久しぶりだな。元気そうだ。」

 そう。ナルシッサにルシウス・マルフォイと、結婚するように、呪いをかけたのだ。今日は、途中経過を見にきたのだ。

ヴォル「どうだ?マルフォイ夫人。」

ナル「うふふふ。おかげさまで楽しいわ。」

ヴォル「よかったな。人狼はどうだ?」

ナル「リーマス?元気よ。もう、こちらに着く時間かしら?彼はまだ学生だから。」

ヴォル「そうなのか?」

 小柄なヤサ男の人狼。アイツほど、自分の不幸を利用しているヤツは見たことがない。と、思うヴォル様である。

ナル「ねぇ。ヴォルデモート。あなたの愛の魔法は素晴らしいわ。」

ヴォル「…浮かない顔をして、どうした?」

ナル「ひとつ、相談があるの。」

ヴォル「相談?よし、聞いてやろう。」

 カップの紅茶をすする。浮かない顔のナルシッサ。美人は、悩んでいても絵になるのだった。
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