−恋人たちの記念日−
Side.K
誕生日も、クリスマスも、バレンタインも。
女の子にとっては、とてもとても大切な日だけどね?
私のこの、溢れるくらいの好きの気持ちが届いた日は、やっぱりどんな日よりも特別なんだよ。
「今日が何の日か、わかる?」
「今日?……………えーと、………」
こういう事にはめっぽう弱い貴方。
一生懸命頭を捻らせて考えてくれる貴方がすごく可愛いから。
覚えていてほしいのが本音だけど、それでもいいかなぁって思ってしまう。
「今日はね。光一と私が結ばれた日。」
「あっ……………」
少し焦って、気まずそうに頭をかきむしる貴方を見れるのもいいかなぁって。
また一つ、貴方の新しい部分を見ることができるなら、それはそれでいいのかも。
そう思えるのは、やっぱり貴方のことが大好きだから。
この想いは止まることを知らなくて。
どんどん、どんどん大きくなっていく。
だけどそれを、ちゃんと光一が受け止めてくれるから。
このあふれる想い、こぼれて無駄になることはないの。
「ごめん、俺何も気づかんと………今からでも、どっか出掛けよか」
「そういうのは、いらないの」
「え?」
プレゼントなんていらないの。
いつもより着飾った洋服も、いつもより少し豪華な食事もいらない。
本当に欲しいのは、貴方からの愛言葉だけ。
「光一の、愛が貰えれば………それでいいの」
貴方の愛があれば、それで十分幸せだから。
私の心を、光一の愛で満たしてほしい。
「私もその分、光一に………愛、あげるから」
愛言葉、私に頂戴?
「ずっと………ずっと、好きやから」
「うん」
「そばにいたいって思えるの、お前だけや」
「うん」
「これからも………仲良くやってこーな」
「はい」
抱きしめられたこの体は、すでに熱を帯び始めていて。
背中に回した腕に自然と力が入った。
安心できる場所。
貴方の隣にいられることが、幸せで安らげるひととき。
「めっちゃ照れるわー」
「いいじゃないたまには」
「このまま押し倒してもえぇんやけどなー」
「そしたら殴るから」
この先もずっと、大切にしていこうね。
二人の大事な記念日を。
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