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□恋人たちのキス
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−恋人たちのス−
Side-T



どんなときでも

いつもキミは笑顔で「いってらっしゃい」って言ってくれるから

俺も自然と顔が緩んで、愛しいキミをこの手で抱き寄せ、いってきますのキスをする。





どんなときでも

いつもキミは笑顔で「おかえり」って言ってくれるから

俺も自然と顔が緩んで、愛しいキミをこの手で抱き寄せ、ただいまのキスをする。





キミはいつもそんな俺に向かって言うんや。


「剛のキスは、幸せになれる魔法みたい」って。


少し照れながら、頬をピンク色に染めてうつむくキミ。





だから俺はいつもこう返すんや。


「ほなもっとお前に愛の魔法かけたる」って。


愛しいキミをさらに強く抱きしめる。





その後は小鳥がついばむようなキスを何度も何度も繰り返す。

キミは今までにないくらいの魔法かけられて

背中に回している手の力を少し強くしながら
、俺からの愛の印に酔いしれるんや。



そして俺からの魔法を何度もかけられた後、キミは必ず最後にこう言うんや。


「私、剛のキスがなかったらダメになっちゃうかも」って。



せやから俺は決まってこう返すんや。


「大丈夫や。俺もお前のキスがないと生きていけへんから」って。





どんなときでも

いつもキミは一日の終わりに「おやすみなさい」って言ってくれるから

俺も自然と顔が緩んで、愛しいキミをこの手で抱き寄せ、おやすみのキスをする。

でもそれは唇にではなくおでこ。
それを何度も何度も繰り返す。




するとキミは必ずこう言うんや。


「…ちゃんと口にしてっ」って。


これまた耳まで真っ赤にしてそう言うんや。



せやから俺は決まってこう返すんや。


「たまにはお前からも俺に魔法かけてや」って。


ホンマは俺もキミに本当のキスをしたいけど

キミが俺のことを欲しがる姿が堪らなく愛しいから


わざと平気なフリをする。



そして最後に…キミからの愛のこもったキスに、たっぷりと時間をかけて酔いしれるんや。




それが俺たちの本当のおやすみのキス。



「ケンちゃんもちゅーっ!」
「ケンのやつ俺のより嬉しそうやな……」



−Fin−


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