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□とある小さな保育園
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−とある小さな保育園−
ここは小さな保育園。
今日はお日さまも味方をしてくれて。
園児たちは広場で楽しそうに遊んでいるはずなんですが………
あれれ……向こうに微妙な雰囲気の園児達がいますよ？
少し覗いてみましょう……
「つよしっ！！なにやってんねん。はよたんけんしにいこーや」
「いややっ。ボク、今おかだとお絵かきしとるんやもん。ともやベイベーと行ったらえぇやんか」
あらら……剛クンに完全に拒否された光一クン。
早くもいじけモードに突入です。
そんな光一クンを見るに見かねて、准一クンから救いの一言が！！
「つよしクン……えぇよ？ボク、たんけんにいくのもすきやし」
准一クン……キミは大人ですねぇ。
「あかん！！きのうもそうやったもん。きょうはボクのしたいことをするんや」
「だって、こーいち。あきらめてきょうはいっしょにお絵かきしよーぜ」
智也クン……キミがお絵かきですか。
ウフフ、素敵ですvv
それにしても剛クン、今日は聞く耳持たずですねぇ。
いつもは光一クンのお誘いにノリノリなのに。
「お絵かきなんてダサいやん……ぜんぜんおもろないもん」
あら…光一クン、そんなこと言っちゃったら剛クンが………
（あかん………）
（おれ、もうしーらねっ）
お二人にも見放されちゃいましたよ？？
「･･･････････････」
「つよしクン？」
「つよちゃん？」
「･･････っっもうこーいちなんてしらんっっ！！おかだっっあっちいこ！！」
「え？あー……ちょっとまってやぁ、つよしクン」
二人で広場の端っこに行っちゃって、お絵かき始めちゃったよー。
どうするの？光一クン………
「オレかておまえなんかしらんわっ。ながせ！！ふたりでたんけんいこっ」
「え？あ……おぅ」
あらら。こちらも二人で探険スタートですか？
困ったちゃんですねー。でも早く仲直りしてほしいなぁ。
ちょっと、剛クンと准一クンの様子を見てみましょうか。
「ねぇ、つよしクン」
「なぁに？」
「えぇの？こーいちクンといっしょにいかんで」
「えぇの！！ボクはいまお絵かきしたいのっ」
「ふーん」
（やったらなんで、こーいちくんの絵ばっかかいてんねん）
本当だ。剛クン、自分では気づいていないみたいだけど、さっきから描いているのは光一クンばかりですね。
それもかっこいい王子様な光一クン。
先生、惚れちゃいそうだなぁ
（おぃ）
（ホンマ、すなおやないなぁ……）
うんうん。准一クンの言う通り。
さてさて、光一クンと智也クンはというと……
「なぁ、こーいち」
「なんや？」
「いいのかよ。つよちゃん、けっこうおこってたぜ？？」
「べっ･･･べつにえぇんや！！」
「へぇ」
（だったらなんで、つよちゃんのすきなものばっかひろってんだよ）
本当だ。光一クン、自分では気づいていないみたいだけど、さっきから手にしているのは剛クンの好きそうな木の実ばかりですね。
（ったく、すなおじゃねぇなぁ）
うんうん。智也クンの言う通り。