おはなし
□幸福論
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些細な事に「幸せ」を感じられたらそれは恋らしい…
「そろそろ寝るかぁ〜」
なんて伸びをしながらザックスが近寄ってくる。
今日のおわりに
2人は同じ布団にくるまって眠る
そうしたいからそうする
ザックス曰わく、恋する事に理由なんかないのだそうだ
背伸びをしてたからシャツの下からおへそが見えてる
それを見てクラウドはフッと笑った
「なぁに??」と不思議そうなアイツ
「…隙あり」と小さく呟きクラウドは自分の人差し指を近寄ってきたザックスのおへそに突っ込んだ
『ひわっ』と変な声を上げてザックスが後ろによろける
ソルジャーの隙をつくとは…とか卑怯者ぉ〜とか1人喚いている彼を見てクスクス笑いながらオレは読みかけの本を閉じる。
「無理して真似するからだよ」とクラウドはしてやったり顔で笑う。
あぁ、お見通しかぁ、
クラウドがあんまり真剣に本を読んでいたから自分も借りて読ませてもらっていた。
確かに想像力がかき立てられて面白いとは感じた、しかーし
長時間同じ体制は自分には拷問のように辛く感じられた。
身体中をポキポキならしながらザックスはお手上げのポーズを取って形をすくめた
「ザックス、座って読むだけが読書じゃないよ」
クラウドが本をしまいながら微笑む
「例えば寝転んでみるとか、ね」
思案顔の俺にクラウドが語りかける
「やだ。」
そしたらクラウドの側に寄れないじゃん
ザックスが口を尖らせてブーブーゆってる
寝転んで読書したらきっと今日みたいに寄り添っていられないと思ってるんだ
デッカい図体のくせに、オレより年上なのに可愛らしく見えてしまう。
「例えば」
こんな方法があるよ
クラウドはソファーの一番端に座った。
ブーブー言いながら、ぶっちゃけもう読書はいいやと思っていたから適当に顔上げてのぞき込むと
「こういう方法もあるでしょ」
とクラウドが自分の両方の太ももを両手でポンポンと軽く叩いてた。
それって、膝枕ってことぉぉ
この夜、ザックスさんはあらゆるかぎりの膝枕的妄想に囚われたそうだ