novel

□クレイジーワールド
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『…………。ここ何処だ??』


すっかり寝ていたらしいフェリオ。そして俺は寝ぼけた頭をなんとかフル回転して周りを見る。
一人森の中にいた。おかしい。確か、場内でお昼寝をしていたはずなのに、今目の前に写る景色は違う。
セフィーロ場内ではなく一面に広がる緑。
見覚えあるようなないような……。とりあえずここから移動しないと。
そう思いながら歩いていたら、大きい建物がある。はて、ここは確か。


(プレセアの家……だったか?)


だよな。見間違えるはずない。俺の頭が正常なら、今、目の前に写る建物はプレセアの住まう家。
だが、なんで俺はプレセアの家の近くにいるのだろうか?謎が謎を呼ぶ。




クレイジーワールド
















とりあえず、このまま考え続けても仕方ないので、この場所から移動する事にした。
で、俺はプレセアの家に行く事に。一応、不法侵入にならないように扉の前でプレセアいるか?と呼び掛けてはみたが返事がない。
留守か………?きっとタイミング悪くて出払っている可能性もあるよな。
すると開くはずのない扉が俺の目の前で開く。びっくりして声を上げればそこにいたのはモコナ。


『ぷうぷう!』

『モコナ?お前いつセフィーロから戻ってきたんだよ!』

『ぷ……??』













まあいい。細かいとこは気にしない気にしない。
とりあえず、プレセアはいるか?とモコナに聞くといないと。
いないか。なら、ここに用はないし帰るかと思えばモコナが張り付いてくる。
帰るなと言ってるのか。なんとなく、そう言ってる気はする。
帰らなければいいんだなと言えば、「ぷうぷう!」と。
急ぎの用事がある訳ではないので、俺はもう少しプレセアの家にお邪魔させてもらう事にした。


しばらく待っていても戻る気配さえない。するとモコナはまた「ぷぷ。ぷう!!」と言う。
俺は何を言ってるのかはよく解らなかったが、モコナは必死にジェスチャーをしながら伝えようとしてくれて。
あっち、と手を指される。
モコナの後に着いていき、書斎らしき部屋に着くなり、モコナは沢山の書斎を撒き散らかしてゆく。
ダメだぞといいながら、俺も書斎に足を踏み入れて少し歩く。


するとドンッとものすごい音がしたと思ったら、何故か俺は牢屋に入った状態に。
それからどっから湧いてきたのかプレセアがやってくる。
「おーほほほほ。やっとかかったわねモコナ」と言いながら。
「プレセア?!」と俺が言えば、俺のいる奥で未だに書類をぶちまけてるモコナと交互にみる。


『あら、やだフェリオじゃない。牢屋に入れられて……何か悪い事でもしたの?』

『してねぇ!!この部屋に入ったらいきなり天井から落ちてきたぞ』


何も悪い事してこんな哀れな事になってる訳じゃないのに……。
とりあえず、ここから出してくれと言うと、「この檻は、書斎を荒らした者にしか反応しないはず………まさか、あなたモコナとぐるだったの?」。
違う!!俺は、書斎荒らしなんてしてない。
しかもその隣で楽しそうに書類をばらまいてゆくモコナ。
「どうみても、ぷうとか言いながら書類撒き散らしてるのあっちだぜ」と指をさせば、
こちらのやり取りなんか気にせず、盛大に書類を撒き散らしいる張本人がいる。


相変わらず何考えてるか解らない顔付きで。とりあえずここから出してと言うと、直ぐさま檻は天井へと登ってゆく。
それにしてもすごいぜ。わざわざこんなたいそうな作りを用意するなんて。
でも、確かモコナはそれが解ってて奥の書類まで跳ねて飛んでたな。
きっとこの仕掛けを知ってたのだろうか。
「モコナの奴、解っててわざわざこの檻からハズレて歩いてたぞ」と教えれば、この檻を改良するの手伝ってと。



手伝うと言われてもな……。頭をくしゃくしゃさせながら、プレセアとモコナを見る。
この二人は相変わらず仲が良い時とそうでない時の差が激しいように思う。
この前も折檻よと怖い顔つきのプレセアがモコナと鬼ごっこ状態だったのを思い出す。
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