創
□引力
1ページ/1ページ
あぁ、
あたたかいなとか
抱き締める力が
程好いだとか
とにもかくにも
居心地が良かったのだけど
違う、
いずれ自分達は
離れるときが来る
そんな事を早くからも
理解していた気がする。
今思えば。
そして、
俺たちは離れたのだが
どうしてだか
引力、
「互いに引き合うのでござろうな。」
「…何だ?嫉妬のつもりか?」
「まさか。」
「音は引力など、無関係でござる。」
強く自由に紡ぎ出される
その音に玩ばれながら、
笑う。
斬っても斬れない
引力という見えない糸。
愉快そうに踊りからみつく
音という見えない糸。
がんじがらめが心地良く
、
そして苦しく。