創
□紅葉
1ページ/2ページ
色づく前は他の葉と大差無いくせに、紅く染まればどの葉よりも鮮やかになって人を魅了する。
紅葉みてェな真っ赤を羽織って、今度は宇宙を紅葉させていく。
アンタが紅葉するのは、
地べたでじゃなく空でだったんだね。
似合うよ、
天人の返り血を浴びていた時より、
ずっと。
--紅葉--
でっかい手。
今まで以上に、沢山の人がその手を頼りにしてくるだろう。
もう、俺達だけのものじゃない。
偉いでしょ、
俺だけの、なんて言わない。
知っているもの、
アンタのその手、
ヅラだって、
銀時だって、
頼りにしてた事。
本当は、行ってしまうのが嫌だった。
ずっと今まで、
『甘やかして』
くれたのは、
アンタだったから。
強がっている俺を見抜いて、その大きな手で包み込んでくれる事も、もう無い。
アンタが、手の届かない遠くへ行ってしまったら、
折れてしまいそうになった時、どうしたら良いの?
コドモだね、
行かないで、なんて言えなくて、その手を握りしめた。そんな不安気な俺を、またその大きな手で撫でて、
あなたは行ってしまった。
もうきっと会えない、
大きな、紅葉。
必死に止めたんじゃ無いだろうか、ヅラは。
やっぱ行かないで、と言わなかったのだろうか、銀時は。
考えるだけムダだなんて、自分の頭が一番理解してた。
分かったよ、
さようなら。
優しい紅葉。
『…という訳で、このデカいモジャを早く連れて帰って頂きたいでござる。
ハッピーだなんだ訳の解らないことを言って、晋助を抱っこしたまま離さな
なんじゃー、バンザイ君、ヅラと話しちょるんか!?
ヅラー、元気にしちょるかー、今日はワシのはっぴーばーすでーじゃきに、プレゼント貰いに鬼兵隊サンとこまで来てしもうたぁ♪
うっぎゃあ何スかこいつ、今お尻触ったっスよ〜!?
つーか晋助様離すっス!!
ああ、晋助様が白目剥いてマスよ…って何ですか騒がしい、また客人です、か
あぁぁ陸奥ぅ!!?
分かった、分かった、
すぐ戻るきにソレ降ろし…
バァーーン
うっぎゃあああプツ。
「…ヅラ、俺もう辰馬なんか祝ってやらね。」
「ヅラじゃない桂だ。俺も同感だ。」
完
空に行くとは言ったが、
もう会えんなんて、
だれが言うちょったんじゃ?アッハッハ〜♪
おめでとう、坂本辰馬!!!