NOTE

□止められる衝動
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「あ、ルルーシュ」

「スザク!何してる!逃げろ!」

逃げなきゃいけないのはわかってる。
でも君は放っておいたら捕まる。
そんな君を放っておけるわけ、

ないじゃないか。










*止められる衝動










「暇ねえ」


会長が発したその一言に、僕、ニーナ、シャーリー、リヴァル、ルルーシュでさえも。その肩をびくりと震わせた。

唯一カレンだけは、あまり学校に来ていないため、特に気にすることもなかったようだが。


「いよーっし!!」


会長が立ち上がる。
カレン以外の全員が、ああ、また始まった、と嘆息した。

会長はスピーカーをオンにし、マイクがあるにも関わらず大声で叫んだ。




「第一回!真夏のどき☆ドキ!生徒会メンバーキス権争奪戦かくれんぼ大会開催ーッ!!」



生徒たちは、待ってましたとでも言うように歓声を上げた。

こちらからしてみれば溜まったものじゃない。だがもういつものことだし、会長に何を言っても無駄だとはわかっていた。

「…会長」

ルルーシュは読んでいた本を閉じて会長に向き直る。

すると会長、ミレイは口角を上げてルルーシュをにやりと見つめた。

「ルルちゃぁん、たまには運動しなさいよお?」

それは、明らかに。
ルルーシュが大勢の生徒に狙われるだろうとわかった上での言葉だった。

ルルーシュはただでさえ暑いのに運動なんて、と歯噛みする。
だがそれとは対照的に、

「いいですね。運動しなきゃ、ルルーシュ、ね?」

スザクはルルーシュの袖を引っ張って首を傾げる。

ルルーシュは小さく舌打ちすると、頷いて、呟いた。

「鬼ごっこじゃなくてかくれんぼなだけ…マシだということか」

ミレイがマイクでルールを説明し終わったようだった。

ルルーシュはよく聞いていなかったが、まあいつもと同じだろう。生徒会メンバーが逃げて、捕まったらキス。

キス自体は構わないが、ルルーシュは追いかけてくる生徒の目が本気で怖いのだ。

「さぁーてぇ」

ミレイが笑う。


(…捕まる、ものか)


そして。



「どんっどん捕まえちゃいなさぁあい!」



ミレイが叫んで、そこにあった小さなベルを叩いて鳴らした。


「スタート――――ッ!!!」





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