NOTE

□無自覚なよびかけ
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ある日の、生徒会室。


「ねー、るるーしゅー」
「何だ」
「なんでもないよ」

ルルーシュはため息を吐いた。
もう何度目だろうか、彼が自分を呼ぶのは。


数日前からずっと、スザクはルルーシュの名前を呼んでは「なんでもないよ」と言ってはぐらかしていた。
それをルルーシュがどう思うかと言えば、

(…心っ底不快だな)


スザクはアーサーと戯れている。

自分は彼の意図が読めなくて考えを巡らせ、ろくに本も読めない状態であるのに、だ。

彼に名前を呼ばれるのは嫌じゃない。
むしろ、嬉しい。
その気持ちが何なのかルルーシュにはわかっていなかったが、とにかく。

(イライラ、する)

「る、」
「すざくー」

彼がルルーシュを呼ぼうとした瞬間に、ルルーシュはスザクの語尾の伸ばし方も真似てスザクを呼んだ。

スザクがぱちくりと瞠目する。


「…なーに?」

「なんでもないさ」

「なんだよ」

「…なんでもない」


スザクは不満そうだったが、すぐアーサーに向き直り、

「よくわかんないねルルーシュは」

と溢した。


ルルーシュはまた不快になり、
今度は独り言で「よくわからないなスザクは」と溢して返す。



その一連の出来事を近くで見ていたリヴァルはシャーリーに、

「あいつらもう恋人じゃねえか」

と、愚痴を溢したのだった。

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