□貴方の為に
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貴方が奮闘する姿が

時々愛おしくなる


《貴方の為に》


ー某日、
ここは並森中の一室として存在する『応接室』。
ありきたりな学校の一室として作られたはずのその部屋は、不思議な程に人を寄せ付けない程の冷たいオーラを醸し出す。

それはその部屋のみならず、その部屋周辺の廊下などがあまり人の通らない故の静けさが作り出したものなのか。
それとも、その応接室に常に居座る人物が作り出した拒絶オーラなのか。

そんな応接室にも、今日は春特有の穏やかな日差しに包まれている。
少し開かれた窓の隙間から、邪魔にならない程の優しい風が入り込み、近くで羽根を休めたヒバードの柔らかな毛並みがそよそよと静かに揺れる。

そんな穏やかな陽気に重なるように、その部屋の主…並森風紀委員長、雲雀恭弥の機嫌も今日は穏やかだった。
手元で流れるように書き綴られていく文字も、幾分軽やかに見える。

平和だとも言えるこの光景。

……だが、その穏やかな光景を一転させてしまう程の出来事など
実は極普通に多く存在するものなのだ。
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