短編

□ある朝の…
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確かに知り合いは知り合いだ。
全く関わりがないわけでも、見ず知らずの人間というわけでもない。
一応、知人にはなる。

「だからと言って、この状況が許されると思うなよ」

朝、目が覚めると何故か目の前に並森風紀委員長こと雲雀がいた。
…しかも、俺と向き合ってベッドに横たわっていて。

「おはよう、隼人」
「おはようじゃねぇ、何してんだテメェは」
「何って、添い寝?」
「ふざけんな」
「じゃあ、夜ばい?」
「誰がそういうこと聞いてんだ!ってか、余計に悪いわっ!!」
あー…マジ朝から疲れる…
「朝から大声出さないでよ。」
「テメェのせいだっ!」
何でこいつこんな偉そうなんだ?!

「…で?テメェの方は何をしてんだ?」
「クフフ…おはようごさいます隼人君、朝ご飯出来てますよ」
何故か俺の家にもう一人、黒曜ナッポー骸がピンクのフリフリエプロンを身につけ、オタマを片手に立っていた。
「お前マジどっから湧いてきた」
「失礼ですね、ちゃんと玄関からですよ」
「玄関が発生元か」
「…酷いですね…ちゃんと鍵を開けて入ってきたんですよ」
「酷いのはどっちだよ!!つーか鍵ってなんだ!」
頭痛ぇ…
一人ならず、二人も…

「…てか、お前等『住居不法侵入』って言葉知ってるか?」
「何言ってるの?僕と君の仲でしょ?」
「どんな仲だ」
「…言ってほしいの?」
「何だかよくわからんが、何となく言うな。キモい」
「!」ガーン
こいつ阿呆か?
「何て事言うのさ。いつからそんな口きくようになったの」
「俺は元々こうだろうがっ!」
「ツンデレですね、クフ」
「黙れっ」
あーもー、馬鹿ばっか

「隼人君、そんな変態風紀委員はほっといて、早くしないと味噌汁が冷めてしまいます」
「黙れ変態!つーか、何でお前は普通に人ん家のキッチン拝借してんだ!てか、どっから持ってきたよ、そのピンクのフリフリエプロン!」
「これは僕の愛用品です」
「愛用してんのかよ?!」
流石、変態。
超フリフリだぞ。

「マジキモいんだけど、このパイナポー」
人のベッドで勝手に添い寝してたお前も充分キモいよ。
「クフフ、風紀委員長のくせに不法侵入している君に言われたくありませんね」
そういうお前も不法侵入だよ。
「噛み殺す」
「望むところです」
…てかこいつらって…
「…仲良いよな…お前等」
「「え?!」」
「マジさ、もう不法侵入した事については何も言わねぇから、いちゃつくなら余所でやれよ」
「「!?!?!?」」
「じゃあ、俺学校行くからな。十代目お迎えに行かなきゃだし。出来れば速やかに出ていけよ」
「「ちょっ…」」
「この状況でその解釈?!」
「待っ…隼っ」
ガチャ、バタン

「「ちっ違っーーーーーーーーーーっっっ!!」」
その後、部屋に虚しく声がこだましたと言う。

→後書き
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