捧げ物

□計画的願望
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愛しい人と時間を共にしたい

それは、誰しも思う『願い』…


《計画的願望》


「…皆、あれだけ時間も日数もかかりそうな仕事押し付け…いや、頼んだのに、揃いも揃ってずいぶんと早いお帰りだよね」

はあ、とわざとらしく大きなため息をついたのは、この部屋の主、ボンゴレ十代目こと沢田綱吉。
そして、その主が座る執務室の机の前には、仕事の報告に来た五人の守護者が立っていた。

「…今『押し付け』っていいませんでした?」
「……言ったな」
「ヒデェのな、ツナ」
「酷いのはそっちだろ?こんだけ早く仕事できるなら、普段から真面目に仕事やれよ。何でこういうときだけ早いわけ?…まるで、獄寺君が長期任務から帰って来たのを見計らうように」
笑顔で対応してはいるが、ボンゴレ十代目の目は完全に据わっている。
「気のせいだよ」
「気のせいです」
「へえ…ずいぶん計画的な『気のせい』ですね。毎度、獄寺君の仕事終わりにバッチリ合うなんて」
「偶然だな!」
「うんうん、偶然だよな」
「……ハハハ、だいぶストーカーまがいの『偶然』だね」

ボスもボスだが、部下も部下で、全く一歩も引こうとしない。
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