捧げ物

□無自覚症候群
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中学生のこれから可愛くて、綺麗な中性的な顔立ちだった獄寺君。

その彼が、時が経つにつれてますます綺麗になっていくのは目に見えてわかっていたことだった。


…でも、そのおかげで、彼に思いを寄せる俺達にしてみれば、悩みになるもので…


《無自覚症候群》


俺達も何だかんだで今年で高校生になって。
結局、皆同じ高校で今まで通りの毎日をおくっているけれど……
いや、確かにそれは凄く楽しいことだし、そのことは問題じゃないんだ…けど…

そう、問題なのは…相も変わらず俺の隣でニコニコ可愛い笑顔を浮かべる彼……獄寺君だ。

元々綺麗な顔立ちだった彼だが、高校生になってそれが輪をかけるように一段と綺麗になった。
そのため、元からモテていたのが男女とわずよりいっそうモテるようになった。
そんな彼から、綺麗な笑顔を向けられるのはとても優越的で嬉しいんだけど……
彼に好意を寄せる人間としては、かなり気が気でなくて。

…まあ、そんな風に焦っているのは、俺だけじゃないんだけど……



「……あの…何してんですか…?」

昼休み、屋上で弁当を食べている中……決して気にしないように目を背けていたが…
あまりにも気になる上、非常にお昼が食べずらいので、とりあえず……俺の少し離れた側方で小さくうずくまっている集団に話かけてみた。

「ツナ〜」
「沢田…」
「綱吉君…」

キレイにハモるその塊…もとい、6人組。

うん、ちょっと、うざい。

「で?なんですか?何となくわかる上、あんまり聞きたくないですけど、このままだとお昼食べずらいので一応聞いてあげます」
「ツナ…なんか最近素っ気なくねぇ?」
「いい加減、こうしょっちゅうだと面倒臭くなってきますよ、ディーノさん」
てか、あなた何してるんですか?
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