捧げ物

□厄日と厄災と…
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最近の俺は全くいいことがない。

朝の登校時に何度も転んだり、
テストの点もいつも以上に悪かったり、
体育で、顔面にボールぶつけたり…

だから、なるべく厄介事に巻き込まれたくない
…そう思ったのが間違いだったんだ


《厄日と厄災と…》
     〜綱吉Side〜


今思えば、厄介事の種になりうるものを、俺が全て無視したのが悪かったんだ。

だから朝、電柱の影から出ている南国風の髪型とか
学校の塀から飛び出して見えていた南国風の髪型とか
授業中、廊下に見えた南国風の髪型の影とか

それらを全て見なかった事にしたのがいけなかったんだ!


「あれ?」

その日、放課後に獄寺君の姿がどこにも見当たらなくて。
靴も鞄もないし先に帰ったのかな?
獄寺君が俺に黙って先に帰るなんて、今までなかったのに。

仕方なく帰ろうとすると、俺の下駄箱にピンク色の花柄の封筒が入っていた。
「こっこれって…まさかっ?!」
ラッラブレター?!
いっいや、でもダメツナの俺だぞ?!
間違いかと思い、裏をみるが、裏には『沢田綱吉様』と俺の名前が。

どっどうしよう?
いや、俺には獄寺君という可愛い恋人がいるのだ!
…そう、可愛いんだよな〜本当、あの笑顔が……って、違う!
それよりも、とっとにかく読んで見ないと…

カサカサ…

「え…と、『拝啓、親愛なる沢田綱吉君へ』」

『拝啓、親愛なる沢田綱吉君へ
クフフフ…今日という清々しい日に、君がお元気そうでなによりです。
つきましては、こんなよき日に、愛しの隼人君をいただいていこうと思い立ちましたので、何とぞよろしくお願いします。
  ー貴方の心の友よりー』

……………………

…何が…
「何が『つきましては』だっ!!あの南国パイナップォォオォォォ!!!」
他にも、何が今更思い立ったなのかとか、何がよろしくなのかとか、誰が心の友だとか、ツッコミたいことは山ほどあったが、獄寺君を取り返す事が先決なので、死ぬ気で獄寺君を探すために、マッハでその場をあとにした。
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