1859

□A presto
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足が地面から離れ、
ふわりと身体が宙に浮いた。


十代目が遠くなる。


時間が止まったような、それでも確実に屋上のフェンスから自分の身体は遠くなる。







…もし………、もしも。




十年前の、学ランを羽織ったお前が此処にいたのなら、
『不法侵入者は咬み殺す』
なんて言って、俺を止めてくれたかな。




そう思った。













中学の屋上も、結構バカに出来ない。

俺が、遠く離れて仕舞った恭弥のところに行くことが出来るくらい、それは高い。








 
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