1859

□糸、紐、綱、ロープ、絆
2ページ/2ページ

目を閉じた向こうで、雲雀が獄寺の首を離した。


「それ、あげる」


獄寺は恐る恐る目を開け、自分の首を触りこれはなんなのかと疑問を漏らした。



「首輪」


雲雀との会話は、
いつも一言だ。

「首輪ぁ?…て、チョーカーじゃねぇか。なんで?」


だから、今までこんなに一対一では話したことはなかったかもしれない
と獄寺は気付く。

饒舌過ぎた。雲雀が。いつもになく。









「あげる。
ねぇ、獄寺…。僕に繋がれてくれない?
離したくないんだ、君のこと。

……獄寺隼人、君が好き…」




獄寺は考える。
言うつもりが無かった言葉が、今、こんなにもすらすらと頭に浮かんで来る。


好きだ、好きだ。大好きだ。

繋がっていたいんだ、お前と、ずっと。


「ごめん……。俺、も…好き」

「なんで謝るの?
なんでそんな、泣きそうで辛そうな顔してるの?
僕のものに、なってくれるんでしょ…?」

ね…? 隼人、


温かい。
抱き着いた、雲雀の
     、隼人の腕は温かかった。






「ねぇ、隼人。僕の犬になってくれるんでしょ?」

抱き合ったまま、雲雀が言う。

「はぁ!?何俺パシリ決定?」


「………(バカだなぁ)」



「浮気したら、その白い首にリード付けてあげるから」


「しねぇよ!てめぇこそ、」
俺に繋がれていろよ!?



「当たり前でしょ?」













もう、とっくに……













†END†


 
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ