番外編
□瑠璃雛菊
1ページ/1ページ
ヴェントは、ボンゴレファミリーのアジトの一廓に割り当てられたヴェントの部屋では霧のリングの発動をとめてステラの姿でいる
ヴェントの精神力でも丸一日、睡眠時にまでリングを発動させるのは難しい
ここに住むまでも自室では発動をさせていなかった
それでもリングはつけたまま
いつでもヴェントの姿になれるようにはしている
しかしボンゴレファミリーの一員となり
油断していたのだ
たるんでいた
その日朝早くノックで起こされたステラはリングをつけてはいるが霧の有幻覚を発動させず、扉を開けた
オレだ
と言う声に安心していたのかもしれない
扉を開けた瞬間、破裂音が響いた
火薬の匂いが鼻につく
ステラは『驚く』表情をして固まった
「あ〜、お前でもそんな表情出来たのか」
ステラの姿で出るとは思わなかったのか獄寺が気まずそうに、ステラの欠けた感情に興味を示したようにそう言う
ステラの綺麗なオレンジ色の頭には色とりどりの紙屑がついていた
「……おはよう」
「あぁ、はよ」
ステラは『驚き』から『無』表情に戻って獄寺をじっと見る
見られた獄寺はクラッカーの残骸を廊下にポイ捨てした
「えっと…、去年の、お返しだ」
その言葉にステラは納得する
確かにヴェントは去年のこの日、獄寺の部屋にクラッカーを仕掛けるという悪戯を施した
大量の薔薇の花束と一緒に
だから仕返しと思ったのだろう
獄寺は後ろに隠していた左手をステラに差し出した
「去年の、お返しだ」
一輪の花を差し出した
†END†