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□エゴイスト
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誕生日おめでとう

何十回、何百回と繰り返し受け取って来た言葉

おめでとうおめでとうと捻りもなく誰もがその言葉を口にした

マフィアの掟を少しずつ改竄しながらも飽きていく13日
酷く物足りなく、酷く泣きたくなった



繰り返される言葉
繰り返される今日
繰り返される人生


アルコバレーノの呪いは、自分にとって誇りでもある
世界で7つの強い者である誇り

しかし何故自分がとも、どうしても考えて仕舞うこともあった


何度もやって来る誕生日に飽き飽きして
どんどんその日が嫌になった


そんな擦れた自分に訪れた、世界一の誕生日

俺へのおめでとうのすぐ後に繰り返されるおめでとう
隣へのおめでとうは
ツナに向けた言葉だ


たったそれだけ


教え子の誕生日がたまたま俺の次の日だっただけで変わる世界



琥珀色の大きな瞳に漆黒の赤ん坊が映る
俺だ





「リボーン、誕生日おめでとう」





濁りの無い瞳が細められ、うっすらぴんく色の唇が弓のように歪んだ






「その言葉、
そっくりそのままお返しするぜ」







今年はどんなプレゼント(嫌がらせ)を用意してやろう

考えるだけで、誕生日が楽しみになる




何十回、何百回と繰り返し受け取って来た言葉


何十回、何百回とこれからも受け取って行くのだ

ツナの隣で







†END†




 

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