モノクローム
□勘がいいのは昔から
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それから、
椎音ちゃんを庇うように立ったはいいもの、足がすくんで動かない俺を山本が助けてくれた。
滅多に怒ることはない山本が
血だらけな獄寺君と、
意思を無くしたような目で
ぼぅっと涙をぼろぼろ流す椎音ちゃんを見て激怒し、
黒曜中のおっかない奴を追い返してくれた。
のはいいけど、
獄寺君を保健室に運ぶ時、椎音ちゃんが獄寺君の側を離れようとしなくて困った。
相当ショックなようで、
生気がなく虚ろ、そして泣いている……
俺のせいで獄寺君が……
椎音ちゃんが………
溜息をつきながら
俺は保健室を出た。
……バカだ……
「あ〜〜
俺 バカだ〜!!
何で行ったかな〜〜!!?
行かなきゃよかった〜!!」
あ〜〜っ
と叫んだのは、
多分
罪悪感を薄らげる為
俺は弱くて醜い人間なんだ。
椎音ちゃんに謝ることも出来ない。
俺はバカだ
バカでどうしようもない。
………
上から何か冷たいものがポタリと落ちて来た。
見れば………
「ちゃおっス」
あぁ、
ダメツナな俺は、
いつもこいつに救われるんだ。