モノクローム

□幸せな日は今日!
1ページ/2ページ



九月九日

五節句の一つで、
重陽(チョウヨウ)の節句
又は菊の節句
とも言われている。

ちなみに、五節句の残りの四つは
一月一日→人日(ジンジツ)
三月三日→上巳(ジョウシ)
五月五日→端午(タンゴ)
七月七日→七夕(シチセキ)

の節句だ。




今日、古文の授業の始めに習った。

優しい女の教師が、
『今日はなんの日だ』
と聞いてきた時には焦った。



だって、

今日は彼の誕生日だから。











私の席の前方斜め左側に座っている、今日が誕生日の彼、獄寺隼人は今、綱吉君に仕切りに謝っている。


どうも、今日は一日サボるらしい。


何と無くそんな気はしていた。だって今日は彼の誕生日だから
沢山の貢ぎ物が女子からプレゼントされることだろう。


彼はそういうのがことごとく嫌いだから、やはり思った通り、学校をバックレるようだ。



堂々とサボり発言を大声でしている
(本人は気付いていない)
ので、周りの女子達がこの世のものとは思えないような顔で悔しがっている。

実は私も、その一人だ。





鞄の奥に入っている、綺麗にラッピングされた小さな箱が有り得なく悲しい。


今だに会話もまともにしたことがないような、臆病な私。

どうせ渡せるとなんて思ってなかったから…。





鞄を持って、彼は帰るらしい。




次の授業は体育。


あっついグラウンドで走るなんて御免だ。
しかも今日は800b走……。

獄寺君もいないんだから、そんなタルい授業になんか出る理由がない。


サボることに決定した。

















普通、こんな時のサボり場所といったら、屋上と相場は決まっている。(と、私は思っている)
だが、
屋上には頻繁に、
最凶風紀委員長、雲雀サンが出没するので、校舎内で二番目に危険な場所だ。
(一番目は言わずと知れた応接室)


日の光の当たるところにわざわざ行くのも億劫だし、


私の決まったサボり場は、いつもマイナーに化学室。


教室から近く、グラウンドも見える。
そして職員室からは遠いといった、素晴らしい環境のこの場所を知るのは私くらい。


今まで誰とも会ったことがなかった。


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ