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□鬼ごっこ
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「はぁ、はぁ、はぁ…、」
自分の荒い息が煩い
これでも息を殺している方だが、長時間の緊張状態と長距離走とも言える運動により
完全に息が上がっていた
隠せない程に
「ふっ、はぁ、はぁ…」
調えようにも、緊張状態はまだ続いていて
俺はなるべく呼吸しないようにし、そっと壁に寄り掛かり向こうを伺った
手にダイナマイトを持ってはいるが、
武器は使ってはいけないルール
ダイナマイトはただの雰囲気だった
自分の荒い息が煩い
大丈夫、
俺は仮にもマフィア
で、あいつはいくら強くとも一般人
こんな状況で、こんなルールの中
俺が一般人に負ける筈がねぇ
大丈夫だ、と言い聞かせる
どくどくと心臓も煩い
廊下をそっと見れば、そこは平和
休日にわざわざ学校に来る生徒なんて俺とあいつくらいだろう
誰もいない廊下に、ほっと息をついた
途端、
肩をぽん、と叩かれた
「っっっ!!!!」
間合いを取って振り返ると、にまりと笑ったあいつがいた
「はい、タッチ。僕の勝ち」
ショック過ぎて声が出なかった