1859

□Because of you
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気が付いたら、スプーンをくわえていた。

ココアを掻き交ぜるスプーン。

俺もヒバリも金属の味が嫌いだから、プラスチックも嫌いだから、陶器で出来たスプーン。



タバコを吸えないと口が寂しい

ヒバリの前では吸えないから。
吸ったら咬み殺される。

以前、何回か咬み殺された。



今はヒバリ、どっか行ってる(委員会の集まりらしい)から吸ってもいいのだけれど、

ばれて抱き殺されたあの時のことは記憶に新しい。

いや、死ぬかと思った。
マジで。





やっぱりここは無難に飴かなぁ

なんて思ってポケットを探ったがなくて、応接室を物色。
チュッパとかあると助かるんだけどな。
と思ったが

飴玉なんて何もなく

それどころか菓子類も無かった




ココアだけかよ………




食べる物がないと知り、少しだけだが不安になった。
ヒバリがいつまで経っても帰って来ないのも不安要素の一つだ


口も寂しいし、

口以外も寂しいし、


はぁ〜ぁ…

なんて溜息を落としたら、






ヒバリの甘い臭いが鼻を霞めて


寂しい口に甘いキスが降って来た








無言のキスとか、卑怯だ。



だって、
それだけで俺の寂しさは全て、
拭われて仕舞うのだから。









(ただいま。遅くなってごめんね隼人…。帰ろうか)





†END†


 

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