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□『一生』『絶対』そんなの嘘
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「今まで自分は友人とか知り合いだと思ってた相手から突然『好き』だと告白されたら、君はどうする?どう思う?」


雲雀恭弥は唐突に言った。
俺にそう聞いた。


は?なんだいきなり、と感想を述べてから、質問の解を考え、

「自分がそいつのことを少しでも恋愛感情として『好き』なら、嬉しいんじゃね?」


と返した。


「僕は、君がどう思うかを聞きたいんだけど」

間髪入れずにそう返って来たヒバリの言葉に
俺は眉を吊り上げた。


なんだよ
学校の道徳の授業みたいなくだらない質問の仕方しやがって。


「ねぇ、獄寺隼人」


ヒバリが早口で俺の名前を発する。




「………そうだな。
やっぱ『好き』なら、嬉しいよ多分、うん。
……でも、好きな奴とかいねぇしさ俺」


ヒバリは興味なさげに
ふぅん、と相槌をうち、頬杖をついた。
なんだよ、自分から聞いて来た癖に、


何と無く悔しいから、

「お前はどうなんだ?ヒバリ」

と質問し返す。

「どうってなにが?」

「だから!!ダチとかそういうのから告白されたらどう思うかって話しだろ!」


「あぁ、そういうこと」

他にどういうことがあるんだよ

「それなら心配ない。僕に『トモダチ』なんてものいないからね、」


少し傷付いた俺がいた。
なんでだ?



「……好きな奴はいない、んだっけ?獄寺、」

「あぁ、まぁな」

それがなんだ

「ひとを好きになるなんて、一生ねぇよ、絶対な」


十代目のことは尊敬してるけど
ちょっと違う。



「ふぅん、そう…。じゃあさ」



ヒバリは立ち上がって、

あろうことか俺の胸倉を掴み引っ張りやがった。
俺は無理矢理立たせられる形になる訳で、

「おいてめぇ…。果たされてぇのか」


マジむかつく野郎だ。

てか
「放しやがれ!」


ヒバリは俺の言葉なんて聞く耳持たないといったように、

囁いた。













「君が『好き』だよ、獄寺」













有り得ねぇだろ、



赤面とか、


だってこの体制だゼ?
余程コクハクとは思えねぇ


だってさっき俺、
誰も『好き』じゃないって、
誰も『好き』にならないって、
言ってたじゃねぇか!



少し過去の俺!!






「前言撤回、してくれる?」







うるせぇうるせぇ!!

わかってらぁ!
俺はとんだ間抜けだよっ!



ヒバリなんか、『好き』な筈ねぇのに、


でも『嬉しい』んだから、













「お前が『好き』だっつうことなんだろ!?」













意味わかんねぇよ!俺!!


よりによってこいつかよ!

胸倉掴んで告ってくるような、
こいつかよっ!!



もう嫌だっ!

真っ赤になって、まともにヒバリの顔も見れない自分が嫌だ!



自覚しちまったんだ、
このおとしまえ、どうつけて貰おうか!!



†END†


 

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