モノクローム

□悲しい顔で愛を囁かないで
2ページ/4ページ





「すみません十代目…
花火見たさに、戻って来て仕舞いました」

















そのぼろぼろの顔を



ローファで踏み付けて仕舞いたくなった


















彼が死ぬかとと思ったらもう正常じゃいられなくて思考が吹っ飛んだ





そんなリングなんて、獄寺君の命と比べものにならないと
そう思うのに

彼は違う

だから私達は相得ない


自分の命を
そんなちっぽけなリングに渡して仕舞うなんて、
あんな狂った殺人鬼に渡して仕舞うなんて、





許せない



許せなくて




















踏み付けたくなった




















そう、このまま此処にいたら
踏み付けて仕舞うと思って私は
夜の学校を後にした

















 



許せない、許せない


獄寺君のあの命




誰にも渡して欲しくない




これは





嫉妬なのかもしれない





















只の片想いなのに嫉妬なんておかし過ぎるけれど

この想いがおさまることはなかった







それどころか、嵐戦が終わった後に彼の元にお見舞いに行った時



白い顔をさらに蒼白にして眠る獄寺君を見て





ますます






その醜い感情は身体の奥から沸き上がった



















好きで好きで好きで、





その頬をそっと撫でてみたら
















ぽたりと雫が落ちた









 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ