Gintama Short

□今でも・・・
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「十四郎、ごめんね。隊務が忙しいのに、呼び出しちゃって」


「いや、俺はべつに気にしてねえ。んで?何の用だ」

「うん、あのさ、十四郎。あたしと、別れてほしいの

「・・・・」

「あんまり驚いた顔しないね。予想してた?」

「・・・」


「ねえ、十四郎。十四郎さ、時々あたしを見ながら他の人を見てるでしょ?」

「は?」

「あたし、感じるの。十四郎は昔の恋人をあたしに重ねてるって」


「・・・・」

「出会った時からそうだった。でも、最初はあたしもそれでいいと思ってた。いつか、十四郎はあたしだけを見てくれると思ってた。でも、こんなに長く傍にいても、十四郎はまったく変わってくれなかった」

「っ、」


「呼ばないで!」

「は?」

「あたしの名前を呼ばないで十四郎。あたしは今でも十四郎が好きだから、今十四郎に名前を呼ばれたらきっとすごい幸せを感じると思う。でも、もしここでそんな一時の幸せに負けたらあたしはまたずっと苦しい思いをすることになるの。だからさ、十四郎。もし、ほんのちょっとでもあたしのこと好きだと思ってくれるなら名前、呼ばないで」

「・・・ああ」

「ごめんね十四郎。今までありがとう。大好きだよ」










彼女の去っていく後ろ姿がぼやけていく



土方は俯いた



前から予想していたことだった



彼女が傷付いていたのは知っていた



しかし、それでも自分から別れようとは言えなかった


それは、今胸に溢れている想いのせいだ



せめて、これだけはあいつに伝えたかった



もう、あいつには聞こえないけれど、それでも言いたい





今でもお前が好きだ

(傷付いているとわかっていても手放せなかったのは、お前が好きだったからなんだ)(呟いた言葉に答えるものはもう、誰もいなかった)








お題:「確かに恋だった」様

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