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□断絶
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突然、入院しろと白い奴に言われ、現在は軋むベッドの上。

どこが悪いのかを知らされず、検査もされず、だからと言って治療もされず。
ただ、ベッドの上で意識を泳がせる毎日。

泳いだ意識はどこかに着くわけがなく、彷徨い続け、挙句、退屈が突き刺さる。

つまらないなら動けばいい。
泳がせた意識がその考えに行き着いたのは、俺がこの建物に閉じ込められてから随分経ってからだった。

ふらりと病室を抜け出した。

外は一段と薬品臭くて、全てが白かった。

潔癖。
俺とは真逆の、潔癖。

目の前に広がる白に吐き気がした。
視界が歪み、全身の力が抜ける。
ぺたりと床にしゃがんでしまい、尚、焦った。





「大丈夫?」





見上げた先には一人の人間がいた。

眩しい程の金髪に、斜めに切り揃えられた前髪。
一番最初に目についたのがそこ。
あまりにも、奇抜で。

「だい、じ」

壁に張りついた手摺りを必死に掴んでなんとか立ち上がろうとする。
なかなか上手く力が入らなくてしばらく立てそうもない。

「大丈夫そうに見えないよ苦笑」

そう言って、奇抜な男は俺の肩を持って立たせてくれた。

「君、病室はどこ?」
「…609」
「結構遠いな…僕の部屋、すぐそこだから、ちょっと休んできなよ。」

人懐っこい笑顔を浮かべ、彼は俺に語り掛けた。

俺は、小さく頷き、その男に着いていった。

あの笑顔に、吸い込まれた気分だった。



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