自作

□憎めない
1ページ/3ページ

ブー、ブー
携帯のバイブがなっている

誰だこんな時間に…


携帯を開いて画面を見る
時刻はAM2:30
【着信 ラビ】


なんだよ、こっちは寝てんのに

多少不快に思いつつ電話に出た
「もしもし、どうしたんですか?」
『あ、アレン〜?今何してんのぉ?』

…あきらかに酔っている


ハァ…

「寝てたに決まってるじゃないですか」
『ほんと〜?起こしてごめんさぁ』

これで謝罪してるつもりなのか?


「で?用事はなんですか?」
『あのねぇ、オレ…』

僕は酔っぱらいを相手をするのは
慣れている

師匠の酒癖の悪さに比べれば
ラビなんてかわいいものだ


『オレ、アレンの声聞きたかったの〜』
「そうですか。じゃあこれで用事終了ですね。おやすみなさい」

OFFのボタンを押そうとすると
受話器の向こうからラビの叫び声…

『アーレーンー!!!!!!』
ほんとにこいつは…
「まだ何か?」
『アレン冷たいさ!オレはアレンのことをこんなに好きなのに〜!!アレンはオレのこと好きじゃないさ?』
「はいはい。好きです好きです」
『ぃえーい!両想いさぁ!!』

…バカ兎

それにしてもどうしてこのバカうさ…
じゃなくてラビはこんな時間にお酒を飲んでいるんだろう?

まともな返事が返ってくることは期待していないが、質問をしてみた

「なんでこんな時間にお酒飲んでるんですか?」
『え!?なんでお酒飲んでるってわかるんさ?さすがアレン、オレのこと何でもわかるんさね〜』

もうこの電話切ってやろうか…


『もぉー、アレン好ーきッ!…ヒック』
「あんまり飲みすぎたら明日(っていうか今日か)ヒドイですよ」
『…きて』
「へ?」
『オレの部屋きて?』
「えー今からですか!?」
『うんッ♪はやくはやく!来てくれないと泣いちゃうさ』

ヤレヤレ何で僕が…
そう思いながらも最終的にはいうことをきいてしまうんですがね



「じゃあ今から向かいますんで鍵を開けといてください」
『わかったさー!!!』

電話を切り、部屋が一瞬シンとなる

一呼吸おいて僕は部屋のドアを開け、廊下に出た

少し空気が冷えている

僕の部屋からラビの部屋はそう遠くない

コツ、コツ、コツ…

静かな廊下にやたら大きく
足音が響く

えっと
確かここがラビの部屋だ


ドアノブに手をかけ扉をひらく…
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ