書く?

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01/11(Tue) 22:08
西遊記で。
くちなし




無駄にながいです
しかも分割です




その声は鼓膜を震わせない、誰にでも伝わる訳ではない、だけどそんな自分の言葉を汲み取ってくれる人に

けれど、何時か



【愛されキャラです】


「ちょっと、沙悟浄」

きらきら光る金髪が眩しい三蔵がちょいちょいと手招きする

やはり会話が出来ないのは不便なようで、三蔵が沙悟浄に声の代わりに文字を教えてみたらしい

「何か途中から鏡見出してんだけど」
「飽きたんですね」

珍しい組み合わせだと、何となく眺めていた悟空がぼやく。暇そうな悟空につられて見守っていた八戒が苦笑気味に笑う。柔らかい ぴんく色の髪が揺れて、変態発言さえなければ八戒は思いのほかマトモだと、ぼんやりと悟空は思った

「ああ、今日も私は素敵ね!」

少なくともナルシストな坊主よりかは話しは通じるし、腹もたたない

その横で、少年の出で立ちをした沙悟浄の手が止まる。
何か書いたようだ

心なしか、満足そうな横顔に興味をひかれて悟空は近付いた

「何て書いたんだ」

そこには震える棒みたいな黒が躍っていた
うん、解らない。

鏡から ちらりと視線をこちらに向けた三蔵がどれどれ と言わんばかりに文字らしき線をなぞるように読んだ

「えー、『おもいしればいい』?」

え?

ぴしりとそれまでの平和な空気が止まる。読んだ三蔵ですら、文字を二度見した

「………」

予想外です。

「………。」
「…なぁ、お師匠さんこれ」
「…私も知らないわよ。」

私はいくつか単語を教えただけ、とは三蔵の言。沙悟浄が何かを書いているのは解っていたが中身までは把握していない

ただ誰の為に書いたかは知っている

「はい、あんた宛てよ」
「Σ?!」

衝撃がはしる。…なんだと?これを俺に?嫌な意味にしかとれねぇんだけど。

相手が相手だけに怒りは湧かない、むしろ嘘だろとか思う。視線を感じて振り向いた、沙悟浄の無垢な瞳が突き刺さる

「なぁ、これを俺に?」

こくん、と頷いた沙悟浄に本日二度めの衝撃を受けた悟空が膝をおる

うちひしがれる悟空を尻目にひそひそと言葉を交わす三蔵と八戒

「どういう意味かしら」
「さぁ…、沙悟浄はあまり喜怒哀楽を見せませんし、一番懐いていたのも悟空でしたし」
「全く。うじうじと鬱陶しいわね」

とうの沙悟浄と言えば、

こてんと小首を傾げて困ったように悟空を見ていた

何か間違えただろうか、

SH3B
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01/11(Tue) 22:12
.


たぶん言いたい事に一番近い言葉を選んだつもり なのだけれど…伝わっているかは正直よく解らない

しゃがみ込む悟空の頭が近いので、とりあえず撫でてみた

見下ろす赤に包帯の白が見えて、以前の戦闘で出来たんだろなぁと思った

『子供は向こうに行ってなさい!』

思い知ればいいのに、そう思っている。


しばらくして。回復したのか、よろよろと立ち上がる悟空が、じっと沙悟浄を見つめる

「なぁー、お前さ」

ぽん、と
暖かい手の平が沙悟浄の頭に置かれた

「俺のこと嫌いか」


ぱちりと一つ瞬いて沙悟浄はふるふると首を横に振った

「…なら、いいけどさ」

ため息まじり、抱え込むように沙悟浄を引き寄せて拗ねたように唇を尖らせる

背中越しの体温
暖かい。
その優しい手の平が傷だらけなのを知っている

―痛い?

頭上の手を掴んで、握りしめた
言葉はなくとも、労るように傷痕をなでる沙悟浄の仕種に察したように笑う

「へーきだ。」


みんな、悟空が好きだ。

悟空が思っているより、きっと、ずっと


自分たちを護る為に躊躇いもなく無茶をして、当たり前に側に居て、屈託なく笑う悟空が、みんな大好きだという事に早く気付けばいいのに



―その声は鼓膜を震わせない、誰にでも伝わる訳ではない、だけどそんな自分の言葉を汲み取ってくれる人


腕を回して沙悟浄をぬいぐるみのように抱っこする悟空。淡い水色の髪に顎をのせて疲労の濃いため息をはいた。
右側から、興味なさ気ながらのぞきこむ三蔵と左側から、腕にもたれかけるように八戒が興奮気味に頬を赤くする

「あら、復活したの」

心配してるよ

「悟空、何ならその悲しみを苛立ちに変えて私に」
「いや、いい」

力になりたいよ

「………。」

大好きだよ


ふわ、とあくびを一つ。


―けれど、何時か

ぎゅっと悟空の服の端を掴んで瞼を閉じる。


何時か、自分の言葉で言えたならいいと沙悟浄は思っている



【愛されキャラです】


思い知って下さい。





―――――――――――――――
悟空さんラブー!お粗末さまで。m(_ _)m

誤字、脱字、乱文なのはお許しを

それでは失礼いたします

SH3B
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