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09/26(Sun) 22:28
キジマとヨツノメとヒダカ。
緋色
休み時間。
サカキ達は食堂へジュースを買いに行っていて、この場にいるのはキジマとヒダカと俺、あとはクラスメイト達だけだ。
「最近…サカキを見ると変な感じがする」
いつもどおり眠そうな目を擦りながら、キジマがポツリとそう呟いた。
「変な感じって…、腹減ったんじゃねーの?」
「違う…食欲じゃない」
「食欲じゃねぇなら何だよ」
「分からない…」
そんなキジマとヒダカの会話を聞きながら、内心ハラハラする俺。
サカキは人間だ。
可愛いし、ふわふわしていて、何だか護りたくなる。
初めは俺達を怖がっていたけど、今では随分打ち解けてきた。
大事な仲間だし、仲間以上になりたい気持ちもあったりなかったりするかもしれなかったり…
だから分かる、キジマがサカキに感じている感情の正体を。
「なー、ヨツノメはどう思う?」
「え、あ、えーと…俺は」
キジマは最初、サカキを食料として見ていた。
だけど、今は
…今は
「…よく分からないや」
「何だテメーもかよ!」
「て、具体的に、どういう感じなんだ?キジマ」
「…サカキが笑ってると、嬉しいし。サカキが泣いてると、悲しいし。サカキが苦しんでると、苦しくなる」
「………」
「病気じゃね?保健室行ってこいよ」
「…そうかもしれない」
感情の正体。
俺がサカキに対して寄せている気持ちと、同じ。
サカキが笑ってると、嬉しいし。サカキが泣いてると、悲しいし。サカキが苦しんでると、苦しくなる。
サカキに出会う前の俺なら、キジマにその感情の正体を教えていただろう。だけど、今の俺は教えたくないと思ってしまっている。
「……」
だけどキジマは、そんなに鈍くないから、いずれ気付く時が来るだろう。
そうなったら俺は、どうするんだろうか。
「…どうせ寝不足だろ、寝たら治るさ、きっと。さっきも目を擦ってたし」
「ん…そうする」
「何だキジマ、保健室行かなくていいのかよ?」
「…………」
「…もう寝てやがる」
「まぁ寝かせておこう、具合が悪くなったら起きるだろうし」
「それもそうだな」
気付かなきゃ、いいのに。なんて思う俺は、自分でも卑怯だと思うけど。
キジマは、俺より気持ちを伝えるのが上手いから。伝えてしまったら、サカキがキジマを好きになってしまうかもしれない。
そう思うと、胸がチクリと痛んだ。
「………サカキ」
そろそろ、ヘタレてる場合じゃないかもな。
end
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無自覚なキジマとか、独占欲の強いヨツノメとか、意外と鈍いヒダカとか、考え出すと悶えます。
この3人の組み合わせが好きなのです(・ω・´)
P03A
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