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09/24(Fri) 20:46
吸血鬼と狼娘
キョウ



初めまして
拙い文章&キャラ崩壊&季節感無視ですが何とぞっ……
(;ω;`)


しかもまさかの分割……
お許しをぉぉぉぉ




…………………………

「はぁーっ……」

凍えた手に息を吹き掛ける。
ただでさえ白い手なのに、この寒さでさらに白くなってしまった。


月は高くまで上がり、白い雪がごうごうとふぶいていた。
街頭の頼りない光では数m先も見えない程。



今日はハロウィン。
愛しの彼女に正々堂々とイタズラが出来る(かもしれない)日なのに、家に彼女がいないのだ。


こんな日に外出するなんて……どうしたのだろう。

男の僕にだってキツかったこの雪道。
いくら彼女が狼娘だからってこの道を耐えられるだろうか。

もしかして、何かあったのだろうか。
事故や事件に巻き込まれて……。


「うぁーっ!
彼女に限ってそんな事ない……っ」

嫌な事ばかりが僕の頭の中に浮かび上がる。

頭をぶんぶんと振ってその考えを薄く積もった雪と共に振り落とす。

しかしまた僕のもとに雪は降り懸かるのだ。

玄関の扉には小さな屋根があるので直接でないにしろ、量が量なだけにすぐに溜まっていく。


僕はまた溜まっていく雪を見て、ため息をつく。

かじかんだ手にまた息を吐きかけた。


あぁ、今日は本当に寒い。
去年のハロウィンとは大違いだ。
あのアップルパイが恋しい。



そんな事を考えながら彼女の家の扉の前でしゃがみ込み、体を縮こませる。
少しでも長く体温を保たせておきたかった。


彼女が帰ってきた時、頬が寒さで強張り笑顔がひきつらない様に。

彼女の冷たい体を抱きしめて、少しでも温まらせてあげられる様に。




だから早く帰ってきておいで。


僕はそればかり願っていた。

全ての生命は寒さに弱い。

長時間低体温でいるとどうなるかわからない。



僕は月を仰ぎ見た。

雪であまり見えないが、本当に薄くぼんやりと光っている。


あの月が僕の真上にきたら、探しに行こう。


そう決心する。



入れ違いになるのはなるべく避けたかったのだが、そうも言ってられない。

もしかしたら彼女はどこかで一人、凍えているかもしれないから。



そして数十分がたち、ついに月は僕の真上に上がってきた。


「待ってて、今から迎えに行くから……」


白い息と共に吐き出した言葉は、ごうごうとふぶいている雪によってしずかに埋もれた。



SH37
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09/24(Fri) 21:32
キョウ



立ち上がり、雪を払い落とす。

パラパラと落ちる雪は足元に静かに着地した。


そこはちょうど僕がうずくまっていた場所だった。
暗くてまるで穴が空いている様に見える。


周りには雪が薄く積もっているのに、そこだけは何もなく、ただただいびつな丸い穴。


もし僕が探しにいってすぐ彼女が家に戻り、この雪の積もり具合を見たらなんだと思うだろう。

僕がいたってわかるかな。

僕がさっきまでここにいて、入れ違いで自分を探しに行ったってわかるかな。

そしたら、君は僕を探しに来てくれるのかな。



心配して僕を探しに来てくれる君を想像したら、ついつい顔が緩んだ。
寒さで結局強張っていた頬が自然と、溶けたかの様に緩んだ。


君は優しい人だからね。


………………でもそんなのダメだ。



僕は足元に積もっている雪を、そのぽっかりと空いた窪みに敷き詰めた。


これで多分大丈夫だろう。


足跡も大股であるけばすぐに消えるさ。


そして僕は一歩踏み出そうと足を上げた。

愛しの君を、探しに参る。


そんな事を考えながら、足を前に――――







…………出せなかった。





僕の目線は目の前のシルエットにくぎ付け。


寒そうに首をすくめながら、ゆっくりと近付いてくる影。

暗くて定かではないが、その影の腕には買物袋が抱かれていた。



「あっ………」


目が合い、同時に声を漏らす。

雪に掻き消される事もなく、耳に滑り込むこの声。

その影は紛れも無く………。



「あっ、あなたどうして………」


どうしてだなんて決まっている、
君に

「会いたく、っでぁっ」



急いで彼女に駆け寄ろうとした拍子に、先程敷き詰めた雪で滑り僕は彼女の目の前で華麗に転倒。


服の隙間から雪が入り込み心臓が跳ね上がる。


「ちょ、何をしているの!」


彼女が雪を掻き分け僕のもとに駆け寄ってきた。


上下逆さまな僕の視界に、しっかり映る君の心配そうな顔。

心臓がさっきより跳ね上がった気がする。



って、こんな事してる場合じゃない。

ガバッと起き上がり、彼女の肩を掴んだ。
びくりと彼女は目を丸くする。




結局また頬は強張って笑顔もうまく作れないし、転んで冷えてしまったこの体では温める事は出来ないけど。


これだけは言いたかったんだ。





「おかえりっ!」



SH37
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09/24(Fri) 22:21
キョウ



「………あなたって本当にバカな人ですね。
あんな吹雪の中ずっと待っていたなんて」


彼女は呆れながら暖かい紅茶を僕にいれてくれた。


「ちょうどタイミングが合ったから良かったものの、入れ違いになったらどうするんですか」


「わぁー!
僕の事心配「違います、もっと考えて行動すべきだと言ってるんです」


さらりと彼女は言い放った。

「冷たい…。
でもそんなクールな君も魅力的だよ」


僕はそう言い、彼女がいれてくれた紅茶を一口飲む。
そのたった一口だけで、体の芯まであったまる気がした。

彼女も向かいに座り、紅茶を飲む。


彼女によれば買い物途中に大雪に見舞われたらしい。
雪道に苦戦しつつもゆっくりと、安全に帰路についていったようだ。


僕の心配は取り越し苦労だったみたいで安心した。


「さて、大分遅くなってしまいましたね」

彼女はそう言い、立ち上がった。

彼女の長い髪の毛が僕の目の前で空中に揺れる。


「今から準備しますから待っていて下さい。
今日はハロウィン。
あなたはそれの為に待っていたのでしょう」



あっ。
そうえば忘れてた。
僕はイタズラするために来たんだ。


「じゃあ、Trick or Trick!
君、今何もお菓子とかないでしょう?
イタズラさせて」


「言ったでしょう。
今から準備するって」


ニコリと彼女は怪しく笑った。

手には先程の買い物がさげられていた。




……………………

「出来ましたよ」


トンと置かれたお皿には出来立てほやほやのアップルパイが乗せられていた。

甘い甘い、素敵な匂い。

「まさか、君はアップルパイを作る為に買い物に行ったのかい?」


「えぇ。
あなたにイタズラされるのは嫌ですから」


またもや彼女はさらりと言い放った。


それでも、僕は嬉しい。

大好きな人が作った大好きな食べ物を食べられるのだから。


だけど………。


「これ食べちゃうと……イタズラ無しなんだよね……?」


「もちろん。
それがハロウィンの掟なのだから」


去年と似た様な出来事。
僕はついつい苦笑いをこぼすが、すんなりとアップルパイを口に入れた。


彼女は少し意外そうな顔をしつつも、すぐに柔らかく微笑んだ



SH37
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09/24(Fri) 22:39
キョウ



本当はイタズラしたくて堪らないけど……。

今日はもう満足したから良い。



実際、君の顔を見ただけで目的すら忘れちゃったんだから。



僕が「おかえりっ」って言った後、君はためらいがちに「ただいま」って言ってくれた。


その事実だけで、僕は胸いっぱいだよ。


出来立てのアップルパイを味わいながら、彼女の方を見る。

優しく微笑む君につい惹かれて、喉につまらす。



君はまた呆れながら、紅茶を持ってきてくれる。


来年も、再来年も、ずっとずっとこうしていけたら良いなぁ。

いつかは僕にイタズラさせてくれるかい。



それまでずっと、僕の大好物を作ってくれると嬉しいな。























「イタズラしてい「ダメです」





…………………………


すいません
長いですよね

私短くまとめるのが苦手なんですよ(´Д`)
しかも誤字、脱字……。


削除Pass設定すんの忘れてたぁぁぁぁ


まぁご愛敬で 笑


素敵なキャラクターありがとうございました!


そしてここまで拙い文章を読んでくれた人達もありがとうございますっ!



SH37
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