12/03の日記

20:17
小ネタ(べるぜバブ)
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漫画を読んでいたら、なんだか書きたくなってきました。

ので、古市成り代わりの続き
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「古市、強い奴を探すぞ」

決意を秘めた顔して突然何言い出すんだか。
私は呆れたように早足で歩く男鹿の横につく。ちなみにここは学校の廊下である。

「急にどうしたんだよ?ベル坊がいても支障なさそーだったのに」
「………俺は気づいたんだ」
「何を」

神妙な顔をしてそう言うものだから、私はてっきりベル坊を育てるイコール人類滅亡だってことに今更恐ろしくなり、誰かに押し付けようとしてるんだと思った。……んだけど。

「コイツのせいでお前とイチャつけねぇってことにだ!」

次の言葉で転びそうになった。何、その理由。
……本当に男鹿くんって、友情が変な方向にいってるよね。友達が私だけだからなのかな。

「目星はつけといたぞ」
「へぇ、誰?」

そう問い掛けながらも私は思った。できれば答えないで、と。
願い虚しく凶悪な顔で彼は笑い、答えた。

「神崎って奴だ」

………ああ、うん。グッバイ、私のギリギリの平穏な日常。生きて帰れるのか私!?
トップとか言われてる人じゃん!

ああ、三年校舎に堂々と入っていく彼が憎らしい。……ん?そういえば、なんで私はついていってるんだろ。別について行かなくても……と、そこまで考えた時にベルくんと目が合った。キラキラした赤ちゃんの目を見て、私は大人しくついていく。
……危なっかしいもんね。

「神崎くんいるぅー?」

男鹿は扉を足で開けた。行儀悪いよ。そしてなんでそんな堂々としてるの!?物怖じしない彼に腹立ちそう。
中にいたのは、本当に高校生ですか?と聞きたくなるぐらい老けた顔の少年たちが数人。怖っ。
ふと、男鹿が助けを求める視線を私に向けていることに気づく。…ああ、無計画に飛び込むから。
仕方ないなぁ。

「あの、実はオレ達…神崎さんの下につきたくて来たんです。スミマセン、こいつ口下手でして」

ハハハ〜と友好的に笑う。
男鹿くんが文句言ってたけどシャラップ!神崎に近づきたいなら私に合わせなさい!と言っておいた。
神崎が私を見て、意外そうに目を見開く。

「女子はみんな、邦枝についてったんじゃなかったか?なんでここにいる」

ドッと笑いが起こる。うん、私、男子制服着てるからね。胸ないからね。残念なことに女じゃないですから!
周りはからかうために言ったと思ったらしいけど、よく見てその人本気で言ってるから!

「………あのぅ、オレは男なんですが」
「あん?んなの見たらわかんだろーが!」

近くの強面男子が私を睨む。
いや、見てよキミタチのボスを。ええ!そうなの!?って顔してるよ?

「テメェ…」
「止めろ男鹿」

そしてここにも気づいていない人がいた。今にも殴りに行きそうな男鹿を止める。

「なんで止めんだよ。確かに女子制服を着てほしいぐらい女顔とは思ってるが、ちゃんと立派な一物を持ってるお前を女だとバカにしやがったんだぞ?」
「余計なこと言うんじゃねぇよバカオーガ」

何、女子制服って。私は着ないからね?
とにかく宥めようと私は微笑んだ。

「男鹿。オレが女顔なんて周知の事実なんだよ。それを言われたからって、なんで一々腹立たねぇといけねぇ?オレはそこまでみみっちくはねぇぞ」

シーン、と静まり返る。
え、どうしたの?


《男鹿視点》


なんてこった。
これは絶対コイツら全員、古市に惚れやがった!!

「んなエロイ顔して笑うんじゃねぇぇぇ!!!」
「な、なんだよいきなり」

おっと、声に出しちまった。
チッ、男前すぎんだよお前は!
抱かれたいとか思っちまったぜ。見ろ、一部の不良が胸の前で手を組んでウットリしてるなんて気色悪ぃ光景が……って、神崎まで!!
マズイ。マズイマズイマズイマズイマズイ!
とっととベル坊押し付けて帰らなければ。

今の内だと近づいたが、ベル坊は反応しない。
チッ、外れか。

「ならテメェに用はねぇ」

言いながら神崎を殴る。
苛立ちやら焦りやらムカつきやらが拳に宿っていたせいか、いつもより奴は飛んだ。
飛んで、窓ガラスを突き破り、奴は落ちていく。

………あ、やっちまった。



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☆コメント☆
[skai] 12-12 18:19 削除
いつも楽しく小ネタみてます。

連載と同じく楽しみにしていますので書くの頑張って下さい!
`・ω・´)ゝ

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