11/20の日記
20:13
小ネタ(銀魂)
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どうやら風邪は治ったようです。
心配おかけしましてすみません。
さて、今回は近藤成り代わりの続きです。
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真選組局長、近藤勲の様子が最近おかしい。
隊員たちの間ではそんな会話がなされていた。
とある隊員の話では、近藤局長が庭で一人ポツンと立ち、空を見上げて物憂げにため息をついているのを見かけたそうだ。(その顔が色っぽかっただの何だの言っていたが割愛しておく)
また、近藤局長が突如、何かを思い出しているのか頬を赤く染めてはにかんでいたのを目撃したと複数の隊員から証言があった。
普通なら。そこらの野郎がどこぞの乙女の如く頬を染めたって気色悪いの感想しかないのだが、近藤の場合は……絵になっていた。むしろクリティカルヒット。目撃した隊員たちは鼻から赤い液体を流したり胸を押さえて倒れたりと医務室のお世話になったのは言うまでもない。
そんな近藤の様子に、誰かが言った。誰もが思ったが、誰も口には出さなかったその言葉を。
「…なぁ、もしかして局長…恋、とかしてるんじゃねぇのか?」
隊員たちに衝撃が走った。
そんな…そんなっ!?なんて誰もが言葉にならない。認めたくねぇ!というのが彼らの本音だ。
そしてこちらにも衝撃の余波が来ていた。
「山崎。近藤さんの様子がおかしい原因を突き止めろ」
普段通りに素っ気なく私的な任務を与える土方だが、眉間のシワはいつもより三割り増しで、これはいつになく不機嫌だと山崎はとっくに気づいていた。
「はあ…ですが、本人に聞いたほうが手っ取り早……あ、いえ、何でもありません行きます。行かせてください!」
「ああ、頼んだぞ」
気のない返事を返して思ったことを言った山崎だったが、途中で土方が刀を抜いたので慌てて了解した。でないと命が危ない。
すました顔で頷く土方が恨めしかった。
***
どこかウキウキしている近藤の後ろ姿を眺めて、山崎はため息をつく。
思い出すのは土方の言葉だ。
『いいか。近藤さんには絶対にバレんじゃねぇぞ。バレたら切腹しろ。相手を突き止めたらころ……いや、報告しろ。俺がそいつと一度話し合わなきゃならないからな』
あれは絶対に『殺せ』と言いかけていた。話し合いってか、斬り合うの間違いではないかと思う。その前に相手が男前提で話している気がするのは気のせいだろうか?
はぁ、と山崎はまたため息をつく。ああ、幸せが逃げていく。
本当の所、山崎だって面白くない。近藤が誰かの隣で幸せそうに笑っているのを見たくないのだ。
複雑な思いが胸中に滲みながらも、山崎は尾行を続けた。
しばらくしてから、近藤が立ち止まる。そわそわしながら、誰か来るのを待っているような動きを見せ始めた。
(誰かと待ち合わせか?)
そう考えながらも、そんな近藤を見て、なんだか可愛いと思ってしまう。
ふと近藤の顔がパアッと輝き、駆け出す。それを視線で追いかけていき……山崎は目を見開いた。
(え゛え゛ーー!?)
近藤は巨大犬に乗る少女と楽しそうに何かを話しだしたのだ。え、まさか。局長の相手があの少女!?と戦慄が走る。
そんな彼の背後から肩に手をポンと置かれた。ビクウッと飛び上がる。
見れば沖田だ。いつの間に。
「まさかチャイナ娘だとはねェ…」
沖田は極悪に笑い、ガシャンとバズーカーを担いでぶっ放した。轟音。爆発。そして悲鳴。あまりのことに山崎は固まる。
狙われた少女は傷一つなく、沖田に気づいて文句を言い出した。
「いきなり何するアル!」
「年貢の納め時だチャイナ娘……引導を渡してやる」
「それはコッチのセリフアルよ!」
傍迷惑な殴り合いが始まった。
山崎はこれはもう非常事態だからと近藤を避難させるべく連れ出したのは言うまでもない。
ちなみにここ最近のおかしかった原因を本人に聞けば、
「神楽ちゃんのペットの定春にずっと触ってみたくてな!さっき頼んでみたんだよ」
だそうで。
最初から聞けば良かった、なんて山崎は脱力した。
そして。
この事を報告すれば、土方は明らかにホッとした様子を見せたが、
「…お前、バレるなっつっただろォが。腹切れ」
と言われてしまったのは別の話。
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