成り代わり
□空
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私は照れてしまいそうになるのを誤魔化すために、話しかけた。
「…秀吉の前だと、僕は自分が子供のようだと思ってしまうよ」
撫でていた手が、ピタリと止まる。
困惑したような眼差しを向けられて、話の内容のチョイスを失敗したと思った。
秀吉さんの手が、私の頭から離れた。
「………すまぬ。子供扱いをしたつもりではなかったのだが」
あ、私が子供扱いされて拗ねていると思ったのかな。
いやいや、そんなことないですよー。
むしろバッチコーイ!…はい、すみません。
私は緩く首を振った。
「子供扱いとか、そういうんじゃないんだ。…ただ、君は本当に大きくて、僕は小さいから。自分が子供のように思えたんだよ」
よし、フォローできたかな。
本当に秀吉さんは大きいよね〜。いつか肩車してほしいかも。
そしたら高い視界を独り占めに!
家康くんが本多忠勝によく乗ってるのを見て、ちょっと羨ましかったりしていた私の密かな願いだったりする。
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