成り代わり

□月見酒
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私はまたお酒を飲む。
謙信さんが微笑むのが視界に映る。


「やはりこうして月光に照らされるお主は、月の化身かと見紛うほど美しいのう」


ああ!誰かカメラを!カメラを私にぃ!
本当、キレイなんですよ!
私は悲しくなってきた。
なんで私の手元にはカメラがないんだろうか…。まあ、答えは現代じゃないからだけど。


「…今、この時を止めてしまいたいものだ。そうすれば、この瞬間が永遠になるというのに」

「しんげん…」


謙信さんが慰めるように私の手の上に、自分の手を重ねた。


「いま、このひとときがあればこそ、わたくしはこれほどいとおしくおもえるのです。いつまでもこうしてあなたさまのおそばにいたいと、こころからねがうほどに」

「謙信…っ」


なんかスッゴい告白されちゃったんですけど!?
私は感動のあまり、謙信さんを引き寄せて熱い包容を交わした。ライバルでもあり、友でもあるって、何かいいよね!
あ、やっぱり体細いですこの人。
力を緩めて、謙信さんの顔を覗きこみながら私は微笑んだ。


「では、朝まで飲み交わすとしよう」

「ええ」




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