成り代わり
□希望は野菜鍋で
1ﾍﾟｰｼﾞ/10ﾍﾟｰｼﾞ
はーい、どうもー。
今、お忍びで奥州にいます。
なんでかって？そりゃあ、片倉印のお野菜を食べたいからに決まってんじゃないか！
せっかくこの世界に来たんだから、一度は味わってみたいんですよ！
というわけで、政宗には内緒で片倉さんに会ってます。………なんか邪魔されそうなんだよね。
あ、ちなみに佐助には内緒で来たよ。言ったら止めるからね。
「それで、何しに来た真田幸村。政宗様には内緒にしてくれとは……何を企んでやがる」
目の前で座る片倉さんがギラリと睨む。
ちょっ、怖いよー！
あ、ここ、片倉さんの部屋ですよ皆さん！
キャー、初めて入った！
私は喜びを抑えながらニコリと笑う。
「片倉殿にどうしても頼みたいことがございまして」
「………俺にか」
何やら苦虫を噛み潰したような顔になる片倉さん。
………そういや、私、片倉さんに微妙に嫌われてる気がすんだよね。
…………。
負けないっ、お野菜をもらうためにも！
片倉さんに近づきながら、私は熱く語り出す。
「………どうしても、欲しいのものがあるのでござる。欲しくて、欲しくて、遂には夢にまで出てきてしまった」
片倉印の野菜鍋を食べている私が！
.