成り代わり
□昼寝日和
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アッハッハッハ。
まさかのまさか、武田信玄に生まれ変わってしまいました。
だけど姿は違うみたいで、せっかく武田信玄になったんだから、彼に似るように色々としてみることに。
まずは頭を剃ろうとした………けど、女中たちが泣いて、ストライキ起こされたので、短くするだけで断念しました。
じゃあ、今度はあの虎を彷彿とするモサモサ頭のピッチリ衣装を着たいと思ったので、作るよう言うと………家臣たちにやめるよう泣きつかれた。
………なんでとめるんだ!
だけどあまりにも必死なもんだから、諦めました。
では、武田名物の幸村と殴り愛をしたいと思い、幸村にやろうよなんて言えば、
『そ、某がお館様を殴るなどっ、できませぬぅううう!!!』
全力で拒否された。
なんで!?
私って、そんな柔そうに見える!?
ショックだよ。
もう、仕方ないから口調ぐらいだよ。
武田信玄に似てるのって。
廊下に寝そべり、ダラーンとする。
「お、お館様!?」
「む?おお、幸村か」
声が聞こえた方に顔を向ければ、二槍を持ったやけに顔が赤い幸村がいた。
………幸村の前にも通った人いたけど、みんなして挙動不審で顔赤くしてたなぁ。
今日って、そんなに暑かったっけ?
涼しくて気持ちいいから縁側に寝転んでるんだけど。
「な、なぜそのような格好をっ」
「む?どこかおかしな所があるのか?」
別に、変なところはないと思うけど。
着物着てるだけだし。
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