成り代わり

□団子日和
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…………突然ですが、皆さん。
私、真田幸村に生まれ変わっちゃいました。

武田信玄いるし、オカンこと佐助いるし、ビックリだよ。

最初は驚いたけど、なんとか受け入れたと思う。
それに、真田幸村になったってことは、伊達政宗とライバル関係になるってことだしね!

………と、喜んでみたけれど、私の夢は縁側でお茶を啜りながら大往生だからなぁ。
死なないよう頑張って生きていこう。


ちなみに、真田幸村になった私は、幸村らしく暑苦しい男になろうと演技してみた。
だけど疲れました。

だってさ、幸村って、本当に常日頃からハイテンションで突っ走っていってるもんだから、インドア派な私にはキツい。キツすぎる。
ここまで頑張った私を褒めて。

そういうわけで、演技するのは止めて、少しずつ私を出そうとしてます。
そしたらさ、周りの反応が微妙なもんになってさ。
特に佐助が、おかしい。



胴着と袴着けて訓練していた私は、槍を一振りし、こちらを見ている佐助に声をかける。


「佐助」

「っ、あ、旦那、何か用?」


すぐさま隣に来た佐助に、ニコリと笑う。


「団子が食べたい」

「じゃ、じゃあ、すぐに用意するよ!」


なぜか顔を赤くして、佐助はその場から消えた。

…………やっぱりおかしい。
最近の佐助って、挙動不審にどもったり赤面したりと様子が変だ。

私が素を出したせいで、どう接すればいいのか分かんないのかも。
すまぬ佐助。慣れてくれ!


なんて願ってると、縁側にて団子とお茶が。
す、素晴らしいっ。できれば老後でもこのシチュエーションで大往生したいです!




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