番外編

□きみは気付いてしまったわけですが
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ある日、あたしが働かせてもらっている団子屋に、そのお客さんはやってきた。

客が入ったんだなって目を向ければ、そこにいたのはなんとすっごい美人さん!
お肌スベスベの色白で睫毛長いし唇赤いし髪がツヤツヤサラサラ!なんてうらやましい!
でも、男なのよねそのお客さん。
こんなキレイな男の人見たのはじめて!
なんだかドキドキしちゃう。


「団子を五つください」
「はーい、少し待っててくださいね!」


声もキレイ!穏やかで優しくって、あの人の人柄がよく出てる。
絶対、いいとこの坊ちゃんよ!
彼に団子を渡して、その後は入ってきたお客さんの注文を聞いたりしていたんだけど……あの人のことが気になっちゃって、チラチラ見てたの。

そしたらあの人は移動していて、他のお客さん(確か、たくさん団子を注文してた人)と話していたわ。知り合いなのかしら?
団子を運んだりしながらまた見たら、なんだかそのお客さんと、その、言いにくいんだけど…甘い雰囲気になってたのよ!
あの人もそのお客さんも男なのに!
まさか、とは思ったわ。
あたしの周りにそういう人っていないもんだから当たってるかは知らないけど、あの人がこっちまで赤くなっちゃうぐらい色っぽく笑みを浮かべていて、そのお客さんはあの人に甘えるように袂を引っ張って……きゃー!!

な、何!?この胸の高鳴りは!?

ドキドキしていると、あの二人にもう一人男が参戦してきたの!
あの人を挟んで睨み合って……どうしよう、胸の高鳴りが収まるどころか更に高鳴る!
近くに行けば原因が分かるのかしら、とちょうど出来上がった団子(重い!)をあのお客さんに渡してみる。

参戦してきた人は帰れってものすごく不機嫌そうに言ってて、お客さんは顔をひきつらせて帰るのを渋ってたけど、あの人が団子が固まるよって早く帰るよう言ったら、拗ねたような顔をして帰っちゃった!
きゅん。
男の人にかわいいって思ったの、はじめてかもしれない。


その後、二人以上一緒にいる男の人たちを見るとなぜかドキドキしてしまうんだけど……なんでかしら?











<<配布元:青二才>>

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