番外編
□鮮やかなる熱に浮く
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少しの間、沈黙した後、主は艶やかに笑った。
ドクリ、と心臓が強く脈打つ。
「いいよ。そんなにお仕置きされたいのなら」
スッと主はその場で正座し、俺を手招きした。
「―――おいで」
まるで香気を放つ花に群がる虫のように、俺は吸い寄せられ、主の元へと歩く。
そして、
パンッ
「あっ、」
俺は主の膝を覆うように主から見て横になりながら尻を高く突き上げた体勢で、
パンッ
「あぅっ、」
尻を叩かれていた。
屈辱的な体勢に、俺は主の前で晒しているのかと思うと、羞恥というよりも………酷く興奮した。
その繊手が、容赦なく俺の尻を叩く。
パンッ
「っ」
「どう、お仕置きされて。こんな屈辱的な格好で………誰かに見られたら、さぞかし恥ずかしいだろうね」
嗚呼っ、
俺は必死に、淫らな叫びを上げそうになる口を押さえた。
(もっと、もっともっともっともっと激しくっ)
(俺を蔑むようにその甘い甘い毒を持つ声で罵ってくださいっ)
全身が震える。
甘く痺れる衝動が体の奥で熱く灯り、全身を駆け巡っていくのを感じた。
しばらくして終わってしまったお仕置きに、俺は余韻に浸る。
(嗚呼っ、夢でも味わいたい!)
オマケ
影鋭って、自分に厳しいらしく、私に怒られたのを気にしてお仕置きされたいだなんて言い出したもんだからビックリしちゃった。
まあ、そこまでされたいんなら、と頑張ってみたよ。
今はお仕置きタイムは終了して、影鋭は畳の上で突っ伏していたりする。
よっぽど屈辱的だったんだろうね。
効いてよかったよ、うん。
これからも精進したまえよ影鋭。
……あ、ちょっと偉そうだったかな。
まあ、これからも頑張って!頼りにしてるから!
〈〈配布元:夜風にまたがるニルバーナ〉〉