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□貴方の舌が血刀を舐めるなら
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ザシュッ
肉の切れる音がする
ザシュッ
嗚呼、悲鳴が聞こえる
ザシュッ
生も死も混在するこの場所で
ザシュッ
今、己が生きているのか死んでいるのかさえ
分からなくなった
すべてが、麻痺する
「なにをぼんやりとしているのですか?」
「‥‥光秀、さま…」
「そんなことでは切られてしまいますよ」
例えば、わたしに
そう、笑って、
ザシュッ
切 ラ レ タ
ドサリと倒れる躯
痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
目を見開き
己の主を見る
「クク、ごちそうさまです」
紅い舌がペロリと血を舐める
嗚呼
この人になら殺されてもいいかもしれない
そう、嗤って
なぜか驚いている顔を視界に収めながら、意識は暗闇の底に落ちた
「‥‥‥‥あなたは、本当に愚かだ」
微笑む亡骸にポツリと呟きが落とされる
(貴方だけが鮮やかな)
〈〈配布元:夜風にまたがるニルバーナ〉〉