成り代わり

□過保護なお人
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恐る恐る小十郎の方に顔を向ければ、彼は真剣な表情で私を見ていた。


「政宗様はこの小十郎めが御守りいたします」


だ、誰から?


「……………守ってもらわなくても、自分の身は自分で守れるぜ、you see?」


お姫様じゃないんだからさ。大抵のことはできるから!………多分。
小十郎がため息をつく。って、ため息つかれた!!


「…ならば、例え相手が味方であろうとも、完全には気をお許しにならないでください」


な、なんで味方?普通、敵じゃないんですか?
その前に私が完全に気を許したら、口調が女言葉になっちゃうから許しません。
ああ、でも、


「安心しろよ、小十郎。今も昔も、気を許してんのはおまえだけだ」


お父さんというかお兄ちゃんみたいで甘えちゃうんだよね。
隣にいてくれると、スッゴく安心する。
口元を緩めていると、小十郎の顔が瞬時に真っ赤に染まった。
おお、沸騰した!

クク、と笑う。


「そういうcuteなところも、オレは好きだぜ?」

「ま、政宗様…っ…」


いやぁ、照れ屋な貴方が大好きです。
小十郎がどこか咎めるように私の名前を言った。
私はわざとらしく肩を竦める。


「なんだよ。言っとくがjokeじゃねぇからな。…それよりも早く運んでくれよ、hurry up!」


このままだと小十郎の腕が痺れる!
私が急かすと、小十郎はまたため息をついた。
だからため息つかないでェェェ!!!

………もしかして私は、小十郎の胃にダメージを与えているんだろうか。
じゃないことを祈っておこう。後で胃薬をあげようかな。コッソリと。





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