成り代わり
□過保護なお人
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あはは……なんで私、伊達政宗に生まれ変わっちゃったんだろう。
右目なくなっちゃったし、義姫さんとはゴタゴタがあるし、そして小十郎が過保護だ。
うん、過保護。
…………ゲームでは分からなかったけれど、日常ってこんな感じなのかな?
なんて思う今日この頃です。
馬と戯れて馬小屋からの帰り道、鼻緒が切れた。ノォオオ!?
「Shit!鼻緒が切れちまった」
鼻緒が切れるなんて、不吉な感じがしてイヤなんですよ。
はぁ、とため息をついていると、隣にいた小十郎が真面目な顔で、
「では、僭越ながらこの小十郎めが政宗様をお運びいたします」
「……Ha?あ、いや、何もそこまでしなくてもいいぞ」
裸足で歩いていきゃいいだろ、と私が言ったら、小十郎がクワッと目を見開いた。怖っ。
「なりませぬ!政宗様のおみ足が土に汚れるなど、あってはならないことです!!」
小十郎のあまりの迫力に言葉がでない。
視線を泳がしていると、小十郎は凄む感じで私を見る。……多分、彼に睨んでいるつもりはないと思う。
「政宗様、よろしいですね?」
「…OK」
ああ、頷いちゃった…。
そういえば、運ぶってどうするんだろ?
そう思っていると、小十郎は私の膝裏と背中に腕を回して持ち上げた。
…………。
ぇええええええ!!!???
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